第四章 再開
第30話 戻って来た日常
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な
俺といいことりといい穂乃果といい.....
「遠まわしに言っても仕方ないから単刀直入に聞かせてもらうわ。あなた最近.......悩んでない?」
「.....は?」
悩み......ねぇ.....
「あると言えばある、ないと言えばないってとこかな」
「それじゃあよくわからないわ」
「ンなこと言われても唐突過ぎて答えようにもこれしか答えられない」
あると言っても最近成績伸びないだとか、
授業に参加しなくてもいい方法ないかな?とかそんな程度だ
「えりちね、ず〜っと言ってるんよ。『大地くん、最近遠くをずっと見てる』って」
「ちょっと!それは言わないでって約束したでしょ!」
希にいじられる絵里を余所に、俺は自覚のあるその様子を思い出す
やっぱりかなりの頻度で考えてるんだな......
忘れたい過去.......今となってはクソみたいな生活
成績に縛られて何処にいっても勉強、勉強、勉強......
別に嫌いなわけじゃない
ただやりたい勉強ができなくて息苦しかった
そして..........
ズキン
「.........」
まずい、思い出すな......嫌なら忘れるんだ
「まったく希は....あれ?大地くん?」
「どないしたん?顔色悪いよ」
俺は選択肢を間違えた....せっかく手を差し伸べてくれた仲間がいたにも関わらず、それを振り払い孤独を選んだ
その結果がこの俺だ
「いや.......ちょっと昔のことを思い出してね」
「昔のこと?」
「あぁ、ここに来る前の事さ.....前の学校の」
それを聞いて、はっとした2人は顔を背ける
「....理事長から話は聞いてるけど....,詳しくはわからへん。大地くん、教えてくれへん?」
「私からもお願い.....高校1年生の時の貴方に何が起こったの?」
「........」
俺は深く深呼吸をし、ゆっくりゆっくり....それこそ、童話を語る保母のように話し始めた
俺の黒くて淀んでいる、抜け出すことの出来ない泥沼のような1つ目の過去
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