幕間1
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久遠も同様で少しだが眠たそうな表情を浮かべる時がある。
ただし、ピカッと光ると身体を震わせるが。
「寝た方がいいな……」
そう呟くと、暢介は視線を久遠から寝台の方へ向け、何かを考え始めた。
やがて、暢介は頷くと久遠の方へ視線を戻した。
「この手かな、久遠。ちょっとおいで」
「?」
首を傾げる久遠を手招きする暢介。
「これならいいだろ」
「……」
そう言った暢介に対して久遠の表情は真っ赤だ。
2人は同じ寝台で眠っている。
暢介が泊まっていた部屋の寝台が他の部屋と比べて少し大きく作られていたおかげで。
並んで寝る事が出来た。
「よ、よ、暢介」
「どうした?」
「こ、これって」
顔を真っ赤にし、しどろもどろになっている久遠。
そんな彼女に暢介は特に慌てる様子も無く。
「誰かが一緒に寝てるって思えば多少は効果があると思ってさ」
「そ、そうじゃなくて。暢介は大丈夫なの?」
「俺? 俺は大丈夫だけど」
「大丈夫って……男女が同じ寝台で寝るって……」
その言葉に、暢介は「あぁ……」と呟く。
「妹が久遠と同じで雷が苦手でね。俺の所に来て一緒に寝てたんだ。それで慣れてるんだ」
その返答に久遠は少し考え、やがて頷いた。
「まぁ、久遠の寝相が悪くて、朝起きたら顔が痣だらけになるってなら考え直すけど」
「そんな事しません! 僕は寝相はいいんです」
そう久遠が返すと暢介は笑みを浮かべて言った。
「そうか。じゃあ、早く寝よう。いつまでも起きてる訳にもいかないしな」
「うん……あ、あの暢介」
「ん? どうした?」
暢介は視線を久遠に向ける。
「手を握っててくれませんか?」
「へ? あっ……りょ、了解」
真美の時にはそんな展開は無かったなと思いながら。
暢介は右手で久遠の左手を握る。
「それじゃあ、お休み久遠」
「お休みなさい暢介」
そう言って2人は眠りに落ちた。
その後も、時折近い距離で雷が落ち。
久遠がビクッとしていたけれど、暢介と手を繋いでいた事に安心していたのか。
起きる事は無かった。
「……あれ? 久遠がいない」
朝起きた暢介の視線に久遠はおらず。
既に起きて、部屋から出ていった様だ。
窓の方へ視線を向けると、依然、雨が叩きつけていた。
「……これは、今日は足止めか?」
そう呟く暢介であった。
事実、暢介と久遠はこの街でもう1泊をする事になった。
夜には天候が回復したので、久遠が2日連続で
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