第29話 二つの存在(後編)
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「頑張りまたえ若過ぎる若者よ!君を目標に頑張る生徒がこっちにはいるから負けないようにな!」
「....もちろんです!今度こそ!日本トップになってやりますよ!」
宍戸理事長から通話が切れ、スマホを持ち主へ返す
「....まったく、面白い事やってくれるよな...絵里さん...いや、絵里、希」
「ウチは知らないよ〜?なんもしてへんよ」
「希ったら『面白そうやん♪』って言って張り切っちゃうんだから....それと、や〜っと私のこと呼び捨てで呼んでくれたわね」
「えりち〜!それは言わん約束や」
あはは、と笑い声を響かせるその風景はいつ以来だろうか
「ありがとう....絵里、希....みんなも」
「.......」
「?穂乃果?どうしたのです?」
穂乃果は1人、俯いて肩を震わせている
「どうしたの穂乃果ちゃん、具合悪いの?」
「.......か」
穂乃果が何かを言っているようだが全然聞こえない
地獄耳のはずなんだけど最近聞き取れない事が多くなった気がする
年かな?
「大くんのバカ!!」
「うわぁっ!?」
いきなり顔をあげた穂乃果に抱きつかれ、耐えきれなくなった俺の体はそのまま後ろへ倒れ込む
「...穂乃果?」
「心配した.....心配したんだからぁ!!!!!」
再び顔をあげた穂乃果の目尻に波が光っていた
「また離れ離れになるんじゃないかって!!やっと会えたのに!ずっと側にいて欲しかったのに!もう失いたくなかったのに!!!穂乃果の気持ちも知らないで!バカバカ!!うわぁ〜〜〜んっ!!!!」
穂乃果がここまで心配してくれていたとは....
申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちでいっぱいの俺は
胸で泣きじゃくる穂乃果をそっと抱きしめる
「ごめん.....穂乃果.....大丈夫だ...どこにも行かない....みんなとずっと一緒にいるって決めたから」
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