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東方現創録
第三話 未解読の必殺技
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「そうそう、思い出したわ」

一件を終え、ゆっくり炬燵に中りお茶を啜っていたオレに言ったその霊夢の言葉でだらけていた思考回路がもう一度働きだす。
なんだ? と言わんばかりの表情で霊夢を見る、と同時にある一枚の紙を懐から取り出し、オレに渡してくる。
縁が赤く、中にカラフルなボールの絵が描かれた紙。

「霊符...?」

夢想封印と文字が書かれており、例えるならカードゲームのカードのような物だ。なんでそんなものを知っているかは定かじゃないが、例えるならそれが一番正しいだろう。

「そう、霊符『夢想封印』」

「なんなんだ、これ?」

「言い当て必殺技と言ったところかしら」

ひ、必殺技... 能力もあれば必殺技もある。これで妖怪を蹴散らすのか、物騒だな。
とは言え、この夢想封印とやらはどんな必殺技なのか。

「正しくは、スペルカードと呼ばれるカードなんだけどね。もちろん、いろんな人が持っていて、私も持っているのはそれだけじゃない。つまりいろんな技があるのよ」

「必殺技って言うくらいなんだ、やっぱその、使うのに修行とか必要なのか?」

「いいえ、それを使うことには特に何も要らないわ」

「どうやって手に入れるか、ってことか?」

ご名答とでも言いたいのか、指パッチンをしてオレを指す。

「それでどんな技なんだ、これ」

「そうね... こう、スパパッと弾が出て、ズドドンって狙ったもの目掛けて当たって、ぴよぴよってなったりドンガラガッシャーンってなったり」

霊夢は身体全体を使ってそう説明するが、ちょっと理解に苦しむ。つまり自分でも何がどうなってるのか仕組みがわからないってことなのだろう。察してやろう。
何もなかった様にお茶を飲みだすと、苦笑いをして何か思いついたように後ろの棚の引き出しを開けてスカートを揺らして腰を振りながら何やら探す霊夢。

「あんま集中するとパンツ見えるぞ」

俺がそう言うと、丁度、探し物を見つけた霊夢が頬を吊り上げて三枚の白い紙をオレに見せてくる。

「残念ながらドロワでね。はい、これ」

皮肉を込めているのだろう言葉を放った霊夢は、続けてオレにその紙を渡してくる。その紙は、先ほど見たスペルカードに似ていた。縁も白ければ中身は何も書いておらず、真っ白な紙だが...

「それはまだ何も決まっていないスペルカードなのよ」

「何も決まっていない?」

「発動する仕組みもわからなければ、その辺の仕組みもわからないのよ... 持っていればそのうちあなたに合ったスペルカードになるわよ」

オレに合ったスペルカード、か... 不安で仕方ないが、無いに越したことはないだろう。
そんなことを考えながら、手にした真っ白な紙を無駄に綺麗なパーカーの胸ポケットに
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