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剣風覇伝
弟十八話「山越え」
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もうすぐじゃ」

「巨人相手に剣などやくにはたたぬ、今はまだわからないだが信じるのだ、我らのこの一歩がはじまりなのだと、諸君は森をたよって、アルウェルンへ、私は三日目の朝に東方から現れる。それまで持ちこたえてくれ」

「いいだろう、我らの戦い方でよいのだな」

「アルウェルンにあなた方の力をみせてやれ、さすれば、味方としないわけにはいかない」

「ふふ、不敵な輩よ、東方の者よ、アルウェルンは長きにわたりわたしたちを助けた、それも古き王のおかげ、こんどはかれらのために平和を勝ち取ろう」

「では、ミリル、遺跡の道を案内しろ、三日で駆け抜けるぞ」タチカゼが言った。

「わしもゆこう、敵はドラゴン、よいかこの世の全てに別れを告げよ、その覚悟なければ向こう側には渡れぬ」

「はい」二人は言った。

遺跡の地下は大迷宮になっている、だが道は一つ。古き最下層のそこは灼熱の地獄、溶岩が吹き荒れる。

「ここです、ここは王の墓、慎重に」

 しかし、入った時、後ろの扉がしまった。

「何!?」

 けけけ、俺ら子鬼のはらわたのなかにいっぴき?いやに二匹のうまそうな肉がはいってきた。

 どうしてやろう?頭をがつんとやってから腹をかっさばいて腸をすするか、いやあの腕か足から貪ったほうがうまいか。おい、鍋はにえて

るか?俺はからあげいいな、俺はにたのがいい、さあ、どうしてやろう!!いや、まてなにか臭いぞ?あのまじない師がいる。あいつか!森の賢者め、くそ光の中に立ち消える。くそいまいましい!殺せ!毒の矢と剣で葬れ。そして食らってやる。

そこはもはや王の墓などではなかったのだ、王の墓にはいまわしいゴブリンどもがすまっていた。

それも、幾層もの、壁のむこうから声は迷宮中にひびいてくる。

「やつらはもはやわしのことを老いぼれた燻製肉のようにしか思っておらぬらしいがどうする?タチカゼ?」

「馬には生きていてもらわねば三日でいけぬ、おまえたち、ここまでありがとう、さあ、もう一仕事してくれ!」

タチカゼは馬の尻をはたいたびっくりした馬は迷宮の中へ、飛び込んでいった二頭とも。

「なんてことを馬をなんだとおもっているのです、あいつらに食わせるなんて」

「たしかに少し乱暴じゃがいいぞ! まだ聞こえるだろう?」オリオンは言う。

「何がですか?」

「馬のひずめの音さ、あんな駿馬がなければ、三日はむりだ、攪乱してやるのさ、そ

して少数のところをこっちで襲うのさ」

「でも私たちの方が地の利は下」

「耳があるだろう、ほうら、やつらの狂喜した声で位置はばればれ、それから私達には賢者がいるのだ。いいか一日で、ここのゴブリンの大

半をしとめるぞ」

「タチカゼどの!あなたはな
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