弟十八話「山越え」
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いるのがオルスアンの山脈です。オルスアンからはドレウードの川が流れています。ちょうど街道をなぞるようにあるのでそこまでいけば安全でしょう。ですがこの先のノエルブルトの遺跡でたぶん敵の襲撃があるでしょう。オークの大群でも現れたら二人では生き残れないかもしれません」
「わたしも魔法の技を少し使えるがそんな人数になるとな、よしこうしよう」一つ目の月がまわって驚くほど静かに旅ははこんでいました。
けれどノエルブルトの遺跡でどうもオークたちが集結しているという情報をうけました。
しかし、山の反対側のアルウェルン国は川をのぼって山を超えねばならない。ですから、どうしてもノエルブルトの遺跡を通らざるおえないのです。ノエルブルトの遺跡とは、古い王の塚で一説には王国の最初の王が眠っているというのです。しかし遺跡は大きくまるで地下迷宮のようになっています。古い時代のいにしえの技術によって造られた創造を絶する大古墳なのです。
二人は朝早く起きればそのまま馬をかって進み、そして夜は火をともしその場で昔のふるいいさおしなどを歌って夜のとばりの中、楽しんでいました。タチカゼには、ミリルの話す西の物語はとても興味深いものでした。ミリルはミリルで東方の変わった物語を面白がりました。
ですが、道がノエルブルトが見える川の渡し場まで来て、少々事情が変わりました。
川の渡し守が何者か襲われて橋も船もものすごい壊され方をしていた。
「これは・・・・・・、トロルか?さび付いた剣に毒の矢、ゴブリン共まで、やつらの大軍勢がここらを荒らしている」
「そんな、川に触れればあいつらは灰になってしまうのに」
「見ろ、油だ、焦げたあともある、大方油の入った大樽でも転がして火でもつけたんだ」
ミリルはその残骸に不思議な粉をみました。それは恐るべきものでした。
「いえ、事態はもっと悪いようです、これは黒色火薬です」
「火薬?大砲に使うあれか?」
「私どもの国ではこれを木炭と硫黄と硝酸カリウムを混ぜて大量につくる術があるのです」
「まずいぞ、ならばゴブリンは火を手に入れたことになる、火計や大砲に大筒まで敵の勢力では山のふもとの国はもたない、それどころか私たちが早くいかねば、遅くなる」
「どちらにしても川を渡らねば、国にはつけん、どれだけ急いだとして、それでも戦いは三日三晩のうちに終わる」
「それではノエルブルトの遺跡を使いましょう」
「なんだと。あれは古代の王の墓であろう、死者の眠りを妨げてはならない、呪われるぞ、遺跡には地下で山の反対側の国アルウェルンにつづく道があるのです。王は最後まで国のことを考えて遺跡を作ったのです」
「よし、どれくらいでいける?」
「迷わなければ、三日目の朝には」
「
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