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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第84話
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〜太陽の砦・最奥〜



「……よし………!」

「ハッ………賭けは俺達の勝ちだな!」

「大人しく投降しなさい!」

地面に膝をついているヨアヒムを見てヨアヒムの制圧に成功したと判断したロイドは声を上げ、ランディは口元に笑みを浮かべ、エリィはヨアヒムに命令した。

「クク………やれやれ。………一つ教えてあげよう………知っての通り”グノーシス”の効能は単純な身体能力の強化などではない………感応力の強化、引いては服用者の潜在能力を引き出すものだが………その使い方を極めれば……こんな事もできるのさ………!」

一方地面に膝をついているヨアヒムは溜息を吐いた後、凶悪な笑みを浮かべて説明し

「ハハハハハッ!!」

なんとクラフト―――魔眼を使ってロイド達の周囲の空間を呪縛してロイド達の身体の動きを止めた!



「な…………!?」

「なんだコイツは!?」

「く、空間が………呪縛されている………!?」

「こ、これって……ワイスマンの”魔眼”………!?」

「馬鹿な………どうやって!?」

「”魔眼”を扱えるのは七十七の悪魔を除けばヨシュアと既に死亡した”白面”ワイスマンのみ……!それを何故貴方が……!?」

魔眼で動きを封じ込められているロイド達が驚いている中エステルとヨシュア、ルフィナは信じられない表情をした。

「クク――――そちらの3人とロイド・バニングスとレン・ヘイワーズは随分と興味深い体験をしているようだな。”リベル=アーク”に”影の(ファンタズマ)”か………」

「こいつ………あたしたちの記憶を!?」

「まさか………そこから再現したのか!?」

「おいおい……人の頭の中を読んで人の技をパクるとかどんなチートやねん……!?」

「これも”グノーシス”の”力”だというのか……!?」

そしてヨアヒムが自分達の記憶を読んでいる事を悟ったエステルとヨシュアは驚き、人の記憶を読むという普通に考えたらあり得ない出来事にゼノとレオニダスは信じられない表情で声を上げた。



「ワイスマン…………ほう、これはなかなか共感を覚える人物のようだ。『身喰らう蛇』の情報も思っていた以上に興味深い………フフ……なかなか愉しませてくれそうだ。」

「……………………」

「くっ……………こんなヤツに………」

「………………」

ヨアヒムが余裕の笑みを浮かべている中ヨシュアは真剣な表情でヨアヒムを睨み、エステルは悔しそうな表情をし、レンは状況を打破する為に真剣な表情で考え込みながらヨアヒムを睨んでいた。

「クク……賭けは僕の勝ちだ。―――さっそく君達には”グノーシス”を飲んでもらうよ?そうすれば君達は僕の思うがまま………キーア様も納得してお戻りに
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