第十六話「占い屋」
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。ただ唯一の救いはルミアが彼らを憎む気持ちを伯爵の死とともに浄化したことじゃろう、それで不死は、薄まった」
「ああ、だが町の者には武具や武器をつくってもらった」
「それが彼らの贖罪となるかはわからん、だがこれからの戦い、おまえさんの剣や武具はなんどか鍛えられるだろう、その最初のものとなっ
たというだけじゃ」
「わかりました、ならばもう迷いはしませぬ」
「その切り替えの速さは東方の地のもののますらおにふさわしいのう」
「人には人の宿命があると村の長老はもうしました、それは他人にはかえることのできぬものでもある。そういう宿命にまきこまれたときの
教えも東の地にはあります」
「ふむ、さて、それでどうすればおまえさんの力が覚醒するかじゃ」
「それさえもわかるのですか?」
「信じる心強く持てとしか言えぬ」
「それだけですか?」
「なにしろ、おまえさんの中にあってまだ呼び起こされてない力じゃ、わたしにはおまえさんの中にかくれひそんでいる力の痕跡をみること
はできるがそれに覚醒するには生と死の極限のはざまにたつしかない、だがどんなときも信じるこころというものは自分を支えるものじゃ、おまえさんがトロルとやりあったときも勝てると信じたから勝てたといえぬか?」
「それはそうですが」
「おまえさんがいったように人には宿命というものがある。だがわたしから
いわせれば宿命にもいくつかの流れがある。そしてその流れに乗るには信じる心が肝要なのじゃ
大丈夫じゃよ、必要なとき、賢者というものは現れる白き賢者ばかりが賢者ではない。そうだな、もう少しいえば、これから旅する国々を助
けるために賢者をさがせ、さすれば百万の敵とも戦えよう」
「やっと探していた答えがみつかった気がします」
「よいか賢者は一人ではないし、人間の形をしてるばかりではない、よく探し、よく見いだせ」
「さて、それでじゃが話は最近のことになる、どうもこの先の山から流れる川に毒を流しているやからがいるようだ。悪しきものじゃ、山のふもとにアルウェルンという王国がある。手始めにここから助けに加わるとよいだろう。山には恐ろしい邪悪で古い化け物がおる。それがわしには黒く澱んだ恐ろしい存在として見える。どくをながしているのはその手下だろう。オークぐらいなら剣でも相手できるがこいつは杖持つ者が必要だろう。わたしにはその存在は、いまだに身の内に神聖なる光を宿している。人間の姿をしているがわたしには光り輝く存在にみえる、そのものは森にいて知恵ある歩く木たちを友としておる。そのくらいじゃ、それ以上は隠れ潜んでおって動向が読めん」
「ありがとうございます、これでやっと動き出せます」
「ふむ、それでは、今日はとまって
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