第十六話「占い屋」
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その力に覚醒しきってない。これより先にヨツゥンヘイッムへの道でかなり大きな戦に巻き込まれ
るこれより西はかっての王国の王たちが治めている、邪悪なる王はまず、石化していた邪悪なる手勢でその諸国を攻めるはず、だが魔王は東の地を軽視している。それは彼の地の源は海の向こうにありこの大陸での影響力はないと考えているのだ。この邪悪なる王は、太古の神々に反抗した邪神の主神でまずこの大陸をその力で掌握し、そして東の大陸へ攻め込むつもりなのだ」
「ということは、わたしが魔王に対抗できるかが問題になるのですね。」
「ただ示すだけではだめだろう、力に覚醒してゆかねばならぬ。そこで話は伯爵の話に代わる。おまえさんはあの時確かに一度死んだが呼び戻された、そして新たに力を得てもどってきた。だが伯爵は哀れな存在だった。
魔王の波動に呼応することなく、自分を保ちそれでも救われぬ境遇にあった。あの件に関していえば、死神の手によって死を迎えることこそ彼の救いだったのだ。そうでなければ不死の存在として魔王のこの上ない忠実で強力な存在になっていただろう。タチカゼよ、あれは運命じゃったおぬしをあのものは知らなかったにせよ、正しい方向に導きかつ彼の魔王に組みすることなく自身の命を終えたのじゃ、よいか不死というのはさまざま属性の中でも一番強力なものだ、だがその無限にも等しい時間に耐えるのは並の精神ではいやどんなものでも無理だろう。
死なない体は無限の時間にさえも耐えてしまうが心はそうはいかん。タチカゼよ、おまえさんは、ルミアに出会ってそれでよかったのじゃ、一度はよみがえったおぬしでも二度目はない。お主は不死ではない。ただ、神の加護があっただけじゃ」
「それではまた伯爵とやりあっても私が負けていたと?」
「そういうことになる、確かに剣技においておまえさんは伯爵より強くなっただろう、だがあの者はなんど斬られようと死なぬからだなのだ、銀をつかえば死ぬというがそれも正しくは限りなく伯爵を長い時間、眠りにつかせるというだけだ。ヴァンパイアとは古い錬金術師の一族という伝承があるのじゃ、そして錬金術師は水銀などを使う。だが伯爵はまぎれもない本当のヴァンパイアだ、人という脆弱なものではな
くオリジナルの最後の生き残りだったのだ。彼は、もう数千歳はくだらない。
「伯爵のことは大体わかりました。それならばむしろ良かったのですね」
「まあ、あの町のものはこれからも呪われ続けるがよいかそれはヴァンパイアという不死の存在の呪いじゃ、不死なのだから本来なら死神とて殺せぬ、あの町のものがその不死をそれぞれ、薄まった不死を引き継いだのじゃ、彼らは伯爵をこれまで手ひどく扱ってきた。だからよいかこの件にかんしてはおまえさんはもう思い悩むことはない。彼らはもとからそういう運命だった
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