第十六話「占い屋」
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く丈夫そう
だ、いい職人に出会いましたな」
「ええ、ですが結局これの使い道はまだ見いだせてません、弓矢も旅の一隊を一度まものから救ったときにつかっていらいですな」
「この荒野もぶっそうになった、魔物たちは日増しに強くなっている。山の奥や谷の坑道にはまだまだ恐ろしい化け物が巣喰っとる、さて、そろそろ、鳥も柔らかく煮えたろう囲炉裏にもってこよう、さあ、座って火にあたりなされ、今日はよく冷える」
その館は土間があって昔ながらに囲炉裏がある。煙突から煙が抜けるようになっていて、火がぱちぱちと爆ぜていてあたっているとなんだ
か落ち着く。すぐに少年が大きな窯一杯に入った鳥の汁を持ってくる。山菜やキノコがふんだん入って鳥の柔らかい肉がうまそうだ。一羽の鳥を丸ごと煮たのだからうまいに違いない。老婆は肉は別のさらにとって切り分けて三人分にした。皿が回ってきてはしがおかれると、老婆
と少年は両の手を組んでこういった。
「聖なる白き流れの糧よ、今日も我々の腹を満たし明日の力になることに深くお祈りします」
そして老婆は、タチカゼにも目くばせをしたタチカゼもそれにならった。
そして晩餐会が開かれ、食欲も満たされ、長旅の疲れも癒えたころ、老婆は話し始めた。
「今、ヨツゥンヘイムでは邪悪な巨人どもが大群となって攻め寄せている。しかしあの都はもとはその巨人たちが作ったもの、そうそう簡単に破られはしないし、白き賢者の力は今も健在だ。だが敵の王は力を取り戻してしまった。タチカゼどの、そなたの旅の目的はこの巨人たちとの戦争を終わらせることにある、それにはヨツゥンヘイムにいくまでに力をつけねばならない。敵は巨人だ、そこらのトロルとはわけが違う。そして本当の敵は魔王だ、奴はそれまで味方であった巨人たちを自分の手勢に加えてしまった。今白き賢者がいなければヨツゥンヘイムは数日のうちに落ちる。なぜ、おぬしが呼ばれたのかそれは西の賢き良き種族であるエルフが白き賢者と話し預言をもたらしたからだ。東の国に古き神の王と呼ばれた血筋があると、その血筋は生まれて皆強く、そして未来さえも見通し百万でも百億でも軍隊を統べるこの世の良き生きるものにあまねく力を与えるという」
「古き神とは?百億とは私が知っている戦でそんな数の戦いはほんとうの太古にあった大戦争の記録しかしりませぬが」
「そうだ、古き神というのは東の地に伝わる神、それは今は忘れ去られた西の神と対になるという、言い伝えによれば、その昔の大戦争の
折、東西の神は東と西にそれぞれ、神々の王の血筋を置いた。西の王の血筋はもう混迷していてわからぬが、東の地の王が現れれば西の地の王も目ざめ、どんな大難も治めるという。」
「それがわたしだと?」
「そうだ、だがわたしのみたところ、まだ
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