機動戦艦ナデシコ
1392話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「……は? 何だって?」
今一瞬、聞いた事の内容が聞き間違えだったのではないかと尋ねる。
だが映像モニタに映し出されているちうちゃん……もとい、長谷川は不機嫌そうに頷く。
『だから、アクセルが言っていたミスマルとヨシサダとかいう2人を見つけたっつったんだよ』
「こんなに早くにか?」
ルリとオモイカネという、ナデシコ世界の中でも有数のハッキング能力を持つコンビでも、数日を掛けて全く見つける事が出来なかった。
だというのに、長谷川は頼んだ翌日にはあっという間に見つけたんだと言われても、ちょっと信じる事が出来ない。
……いや、勿論長谷川がそれだけの能力を持っているのは知っているし、だからこそルリの応援を頼んだんだが……それでも、幾ら何でも早過ぎだろう。
『アクセル、おいアクセル。それでこれからどうすればいいんだ?』
長谷川の言葉で我に返り、まず真っ先に尋ねるべき事を口に出す。
「それで、2人はどこにいたんだ?」
『ネットとかそういうのが全く存在しない場所だよ。どこかの遺跡に隠れていた。他に何人も兵士がいたぞ』
「……なるほど。元々ネットがない場所なら、それは見つからないか。……うん? じゃあ、お前はどうやって見つけたんだ?」
ネットのない場所にいたのなら、当然長谷川の電子精霊だって見つける事は難しい筈だ。
だが……逆に不思議に思う事もある。
つまりそれは、長谷川もまたミスマル達を見つける事は出来ないのではないのか? という事だ。
長谷川が使う電子精霊は、あくまでも電脳空間……いわゆるネットとかそっち関係の中でしか力を発揮しない。
だとすれば、そもそもネットがない場所に潜んでいたミスマルやヨシサダを、どうやって見つける事が出来たんだ?
そんな俺の疑問を、表情から読み取ったのだろう。長谷川は映像モニタの向こう側で笑みを浮かべて口を開く。
『いいか? いい女というのは、秘密が多いんだ』
「……お前、ミナトに影響されてないか?」
今の台詞は、とてもではないが長谷川が普段から言うようなものではない。
寧ろ、長谷川の案内として動き回っていたミナト辺りが言いそうな事だ。
本人もその自覚はあったのか、俺の言葉に薄らと頬を赤く染める。
そして照れ隠しに何かを叫びそうになったところで、その機先を制するように俺は口を開く。
「それで、戦力を集めてるって話だったけど、具体的にはどのくらい集めてたんだ?」
『いや、それを私に聞くのかよ。そもそも、こっちの世界の軍事力とか、そういうのは殆ど分からないんだぞ?』
「……本当に、か?」
電子精霊を操る長谷川だ。だとすれば、当然この世界の情報とかも集めているだろう。
そんな俺の視線に、長谷川はそっと目を逸らす。
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ