第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#12
VERMILION&PLATINUM DANCE
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え一つ起こさず精密機械以上に、力強く正確に動いているッ!
対してシャナは、微塵の誤差もなく触手のみを切り裂き、
承太郎の身体数oの位置まで正確に探知している!
それなのに承太郎本人にはキズは疎か焼け焦げ一つ付いておらんッ!)
「…………………………………………」
「はあああああああぁぁぁぁッッ!!」
静と動。
二つの絶技が、半径3メートルにも満たない空間の中で互いに折り重なって交錯する。
「ッッ!!」
シャナは。
胸が、奇妙な高揚に充たされているのに気がついた。
自分は今。
使命以外、“戦い以外の事で” 贄殿遮那を振るっている。
“戦う為にではなく” 誰かを護る為に、助ける為に。
今までの使命とは、全く違う剣の使い方。
しかし、悪くない。
悪くは、ない。
その口元に、いつしか微笑が浮かんでいたのにシャナは気づいていなかった。
(悪くない)
胸の奥、体の芯、足の底から、力が叫ぶように湧き上がってきた。
(悪く、ないッ!)
灼紅の大太刀に灼眼が映え、笑みが頬に強く刻まれる。
それと同時に、斬撃の廻転が加速度的に上昇した。
(ここだッ!)
「肉の芽」の本体が花京院の額から半ば露出した所で、
承太郎はその下部から伸びている骨針が脳の致命点を通り過ぎた事を確信する。
「ッッッッラァァァァ!!」
音速の手捌きで素早く 「肉の芽」 の本体を花京院の額から摘出すると、
スタープラチナは即座に両手で、周囲で蠢く触手の束を全部まとめて引っ掴み
その怪力でバラバラに引き千切った。
「コオオオオオオオオオォォォォォォ――――――――――――――!!!!」
その背後で、ジョセフが既に『波紋の呼吸』を練り始めていた。
(驚いてばかりもいられんッ! ワシとて歴戦の 『波紋使い』
まだまだ若いモンにゃあ負けはせんッ!)
やがて。
その全身から迸る、煌めく山吹き色の生命光が右手に集束していく。
「50年振りに行くぞぉぉぉぉぉぉ―――――――――――!! 太陽の波紋ッッ!!
“山 吹 き 色 の 波 紋 疾 走――――――ッッッッ!!!!”」
ジョセフの渾心の叫びと共に高速の掌打が撃ち落とし気味に触手本体に叩き込まれ、
「肉の芽」 は鉄扉に流弾がブチ当たったかのような
音を立て瞬時に跡形もなく蒸散した。
「な……?」
血が伝うこめかみを手で押さえながら、花京院は呆然とした表情で承太郎を見る。
「……」
承太郎はまるで何事もなかったようにすっと立ち上がると、
花京院に背を向けて歩き出す。
その背に向けて、花京院は動揺と困惑を隠せない表情で訊いた。
「空条 承太郎。何故君は……敵である
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