第三部・風神録〜二人の巫女の奇跡と幻想の力〜
深夜から翌朝にかけて。
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白狼天狗のマガイモノたちの剣先が空を切った。
「間に合ってよかった!!」
「も、椛さん!? 無事だったんですか!?」
「えぇ何とか。にとり殿がかくまってくださったので、事なきを得ました」
早苗を抱きかかえたのは、白狼天狗の犬走椛だった。椛が言うには、普段から仲良くさせてもらっている河童の河城にとりにかくまってもらっていたため、椛だけはマガイモノに襲われることがなかったのだという。そして、自身の能力『千里先まで見通す程度の能力』で、守矢神社から今に至るまでの様子を見て飛んできたのだという。
「私の能力で、神社でのことを見させていただきました。まさか八坂殿と守矢殿の御力すら届かぬ相手とは……。相当厳しいものがありますね……」
「はい。苦渋の選択とはいえ、神奈子様と諏訪子様」
「今は悔やむだけでは進むことができません。あれに対抗できる力を持つ者をここにお連れすることが先です。どうやら現在、その力を持つものが、永遠亭にて交戦中のようです。何とかしてここにお連れすることができれば、可能性はないとは言えません」
「本当ですか!!? 神奈子様と諏訪子様も助けることが!?」
「その者なら、もしかすればたやすいかもしれません」
「なら、永遠亭に急ぎましょう!!」
「えぇ! 今向かっているところです!!」
そして椛は速度を最大まで上げて、永遠亭まで飛んだ。
「あの2人を追跡するのは2、3人でお願いします。本当であれば私も行きたいところなのですが、さすがに今の守矢神社にたどり着かせないための駒は必要でしょう」
射命丸のマガイモノは、白狼天狗たちに指示を出した後、自らの持ち場に戻るために踵を返した。
「さぁ、楽しませてもらいますよ? 優理亜さんの弟、零くん?」
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