第三部・風神録〜二人の巫女の奇跡と幻想の力〜
深夜から翌朝にかけて。
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えた。
「偽物だけの世界!? 何のためにですか!!?」
「おっと、これ以上はあなたにお話ししたところで、あなたにはどうすることも出来ない事なので、話すつもりはありませんよ」
「なっ!?」
そして、それ以上聞き出すことが不可能になった。文のマガイモノは残念そうな顔をしながら言う。
「いやー残念ですねぇ、奇跡を起こす程度の能力を持ったあなただったとしても、それすらも意味のないものとする私たちには勝てないんですからねぇ。だから今こうして逃げているわけでしょう?」
「違いますよ……。あなたたちを倒す手段はあるはずです。だから今は逃げて、策を探すんです!!」
「ほう? 神奈子さんと諏訪子さんを見捨てたにもかかわらずですか?」
「……、それが神奈子様と諏訪子様の意思です……!!」
「ほうほう、そうでしたか。まぁそれがどうであろうと、私にとっては知ったことじゃないんですけどね! では、お命頂戴!!」
「!!?」
残念そうな顔から一転して楽しそうな顔をした途端、早苗に襲い掛かった。早苗はそれをぎりぎりで交わし、そのまま先へと進む。
「ほらほら、避けたりなんかしないでさっさとやられちゃってくださいよ!!」
「そんなのごめんですよ!!」
文の猛攻をぎりぎりでかわし続けながらふもとへと急ぐが、それも限界が近づいてきた。何しろ文のマガイモノだけでなく、白狼天狗のマガイモノの攻撃もかわしながら進んでいるので、その辛さは言わずとも分かるだろう。
「しつこいです!! 諦めてください!!」
「それはこちらのセリフですよ早苗さん! 諦めたほうが楽になれますよ!!」
「諦めてたまるもんですか! この妖怪の山を、守矢神社を守るために!」
叫んでみたものの、幻想郷に来てからろくに運動をした記憶がなかった早苗の体力は、すでに6割ほど消費してしまっていたため、下手に回避行動などをして体力を消費したくないのが彼女の本音でもあった。
(くっ、まずいです……、射命丸さんのマガイモノなだけあって、ただでさえスピードであちらのほうが有利なのに、ここにきて私のスタミナが切れかけるなんて……、って!?)
「きゃっ!!?」
横から飛んできた攻撃をかわした目先には、橙一色。木の枝だった。結果として、早苗は紅葉いっぱいの木の枝に突っ込んでいく形になった。そのままバランスを崩し、早苗は墜落した。顔面から落ちる悲惨な状態にこそならなかったものの、受け身をとることに失敗し、足首を痛めてしまった。
「いたたた……、やられましたね……。これでは満足に動けないじゃないですか……」
「東風谷殿危ない!!!」
「えっ!? ちょっと!!?」
だれかの叫びと同時に、何者かが早苗を抱きかかえ、その場を離脱する。それと同時に、切りかかろうとしていた
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