第三部・風神録〜二人の巫女の奇跡と幻想の力〜
深夜から翌朝にかけて。
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いうわけにもいかないしね。だから早苗、今は逃げて。そして対抗策を見つけたら、必ず帰ってきて、私たちを助けてほしいな」
「諏訪子様……」
早苗は諏訪子の言葉に泣きそうになった。しかし、早苗は、ここでいつまでも自分が駄々をこねていても、諏訪子にとってはきっと迷惑でしかないだろうと判断し、
「……、申し訳ありません!!!」
精一杯の謝罪の言葉を述べると同時に、山のふもとへと全力で走った。
「何とか逃げ切ってよ、早苗……」
「さて、そろそろ貴様も片づけてやろう」
「やれるならやってみなよ、太古の神の力をなめてると、痛い目を見るよ!!!」
そして諏訪子は、マガイモノたちに抗うため、突撃した。
「妖怪の山上空は、白狼天狗のマガイモノばかり……、これでは満足に飛ぶこともできない……」
早苗は草木の陰に身を隠しながら、少しずつふもとへと足を進めていた。上空を飛ぶことさえできれば、霊夢のいる博霊神社まですぐに向かうことができるのだが、上空にはちらちらと白狼天狗のマガイモノの姿が見えている。おそらくは逃げ出した早苗を見つけ出すためのものだと思われるため、うかつに飛んでしまえば即刻つかまってしまうだろう。
「今のところは何とか見つからずにここまで来ることができましたが……、いつまで持つでしょうか……」
「いたぞ!!」
「もう見つかってしまいましたか……!!」
どうやら、上空だけでなく山の中にも見張りがいたらしい。見つかってしまった。早苗はやむを得ず超低空かつ高速飛行で山のふもとを目指すが。
「だいぶスピードを出しているようですが、私の速さには及びませんね、やはり」
「!!?」
早苗の目の前に新手が現れた。しかしそれは白狼天狗ではなく。
「射命丸さん……、のマガイモノ……!!」
「あやや、随分と怖い顔をなさりますねー早苗さん」
烏天狗の射命丸文のマガイモノだった。
「あなた方はいったい何をするつもりなんですか!?」
「何を、というと、あなたのことでしょうかね? それとも今の幻想郷のことでしょうかね?」
「ふざけないでください!!」
「おやおや、心外ですね? 私はちゃんと答えるために、あなたのことか今の幻想郷のことかを聞いたんですけれども?」
「……、今の幻想郷のことです、答えてください!!」
早苗はくだらないと思いながらも、仕方なしに今の幻想郷のことを聞きたいと言いつつ、質問の答えに答えるように急かすと、文のマガイモノは、
「うーん、そうですねぇ、簡単に言うと偽物たちだけの世界を作る、と思っていただければ」
案外素直に、そして簡単に答
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