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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 中編
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の2人は遠距離からの監視と狙撃銃を用いた暗殺を主任務とする。彼らのほかにもケン・マシューズ曹長とマイク・マディソン軍曹がついた。
残りのチームは通信傍受班であった
リーダーは先述のヘレン・メイヤー中尉
そのほか、3名の女性下士官がついた。
何が起こるかは定かではなかったが、戦場にいるときと同じ高揚感が自分の中で漂う。
ヘレン中尉が目を合わせるたびに目配せをしてくるので気になったが特に気づかなかったふりをして会議室を出る。
その日から任務解除までこの施設が私の仕事場となった
このような情報将校が使える施設はフェザーン内には10か所あった。
その名目上の用途は先述のように宇宙航路局のものもあれば、貿易関係商社のものもあった。
それらは当然帝国軍の目をかわすためであり、何よりも派遣情報将校の正体を見破られないためでもあった。
情報将校は命を懸けて自分の身内、同僚を欺き敵を欺き任務を達成してくる。
その彼らの身元を見破られては彼らの身が危険すぎた。
実際に、私が赴任した年にすでに50名近い情報将校がフェザーンで命を落としている。
しかし、彼らのほとんどは実際の身元を明かされないままフェザーン保安警備部が報告したとおりに事故死や病死とされて本国へ送還され軍人ではなく民間人としてその生涯を終える。
当然生前彼らの遺族には何も話はなく、自分の身内がフェザーン周辺で軍の任務に就いているとしか知らされていない。
しかし、死後になってから自分の夫が妻が息子が娘が情報将校としてこの陰謀と策略にまみれた惑星で壮絶な情報戦に身を投じていたと知る。
同盟軍は一切の情報を公開せず、フェザーンでの戦死者数は定かではない。

今思えばそんなことを思えるが当時、純粋な若者として一同盟軍大尉として精一杯のことをしようとしか私は考えれていなかった。
そんななかで私は
宇宙歴793年8月33日フェザーンでの情報戦に身を投じたのであった。
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