第11章 フェザーンへ 中編
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その封筒の背面が紙1枚分分厚かった
私は封筒上部を切り取るなりその作戦命令書に目を通した
そこにはフェザーン政府高官の追尾任務についての作戦命令書だった
作戦開始は3日後
その背面には手書きであったが一通の通達内容が書かれていた
それは、「大尉」への昇進辞令であった
ついこの間はく奪されたばっかであったのにもう戻ってきてしまった
まあありがたくもらっておけばよいと考え、すぐにその書類はライターで燃やしてしまった
もし、この場で踏み込まれたら元子もないからだ。
当然、封筒も同時に処分した
ニコールにメールを入れる
電話は金がかかるうえにいろいろと設備が必要だったし、情報将校であるという立場もあるのでメールでの交信に緊急時以外は限られる。
返信はすぐに帰ってきた
その後世間話や仕事場での話をした
ニコールの声を聴きたいと思ったことはこの時ほどなかった
情報将校故に声すらも聞けなかった
当然、ニコールには自分が情報将校としてフェザーンにいることなんて口が裂けても言えなかった。フェザーンにいることをニコールは知っていても、彼女には第19方面軍の訓練のためフェザーンを中心に動いているという大嘘を言わざるを得なかった。
第19方面軍はフェザーン方面の防衛・警備を担う西部方面総軍の一方面軍のことである。
情報将校すなわち工作員またはスパイは自分の身内すらも欺くことを要請される。
この時ほどつらいと思ったことはなかった。
その日から2日後
同盟政府の派遣施設であった同盟宇宙航路局第19派遣航路局に行った
ここは通常職員も利用しているが、利用している半分以上の職員が情報将校やその関係下士官・兵であった。
私はそこで開かれた直前作戦確認会議に出ていた
出席者は5名の情報将校と6名の下士官であった。
この時の追尾対象者は「マースト・フルシチョフ」という男であった
彼は当時のフェザーン国家警備隊・フェザーン保安警備部などの武力組織・実力組織を指揮下に持つ内務局の政務担当補佐官であった。
彼の通信傍受記録から帝国への接触が見られたことが事の始まりだった
前々から監視対象であった彼は帝国へ明らかに何かをけしかけていた。
幾度にもわたる帝国軍情報将校や帝国軍駐在武官との面会
これに対し、同盟軍中央情報局は彼の真意の確認と必要とあれば強制退場を命じた。
そのために編成されたチームであった
私は訓練中の中央情報局での内部告発における行動を認められて真っ先に実戦部隊に投入となった
チームリーダーは中央情報局破壊工作課出身のアレックス・シン少佐
サブ・リーダーは中央情報局通信傍受課出身のマック・リンカーン大尉
私は追尾班のリーダーで下には第22方面軍直轄特殊作戦部隊出身のアドラー・ハインケル少尉とグレン・マインズ軍曹こ
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