第11章 フェザーンへ 中編
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はマレン・シュタイン
しかし、奴の顔色をもう少し良くして髪をもう少し付け加え、メガネを外すと
バクダッシュ中佐であることは十分承知であった
私は思わず敬礼しそうになるが、とりあえずお辞儀をする
するとマレン局長は事務的に赴任を承諾して書類を手渡した
それでおしまいだった
わたしはその足でトイレに駆け込んで、その書類をひっくり返した
中身は赴任証明書類と仕事内容であったが明らかなタイプミスがあった
わたしはそれに丸をつけてその内容を解読した
おそらく、盗聴器を怪しんでのことだったろう
その内容は国土交通局派遣職員宿舎から少し離れたところにあるバーに来いとのことであった
1900時
その古びたバーに入る
店に入るなり右奥にいたバクダッシュ中佐が手招きする
中佐の周りには2人の女性職員と1人の男性職員が座ってアルコールを楽しんでいた
当然この私を含めた5名は同盟軍の情報将校である
その場では職場の新入りの歓迎という名目で集まった。当然、その場で語られた内容はそれに即したことだった
バクダッシュ中佐が
「そういえば、お前のところのおばさんどうした?」
と隣にいた若い男性職員と聞く。すると男性職員は
「あー。ウェリントン地区の6丁目のおばさんですか?それとも5丁目のほうですか?どっちも病気もちでして」
中佐は
「どっちもだ。」
と答える。男性職員は
「そうですねーどっちも昨晩なくなりましてね…」
と言葉を濁す
これをまともに翻訳すると
中佐‐昨日の暗殺計画の進行状況は?
男性職員‐第5チームのほうですか?第6チームのほうですか?
中佐‐どっちもだ
男性職員‐どちらも任務完遂しました
ということなのである。
同盟政府施設内ではどこでだれが聞いているかわからないので基本文書か、こういった密会場で報告や命令は行われる
この男性職員の名はマチャード・ロビン1等事務官
本名はネルソン・シュミット少佐
もともとは第22方面軍司令部勤務情報参謀であったがバクダッシュ中佐に引き抜かれた
残りの女性職員のうち若い女性は私と士官学校同期のヘレン・メイヤー中尉。カレン・ピット3等事務官と偽装しているが、この女性士官は同期の中でも最も美貌かつ最高の策略家で知れた人だった。士官学校卒業後から同盟軍中央情報局勤務であった。
もう一人の30代の女性職員はメリー・ウォーレン大尉。偽名はアンナ・ロビン。つまり役の上ではマチャード・ロビンとアンナ・ロビンは夫婦という設定であった。
その後、バクダッシュ中佐は私に航路関係書類が入っているという封筒を手渡してその会はお開きとなった。
私は宿舎に帰るなり、すぐに書類を確認した
なるほど、確かにフェザーン周辺の第6航路詳細図を中心とした書類だった。
今度は封筒をよくよく見てみる
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