第83話
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適応力を持つ、幼い双子の姉妹の検体がいたんだが………これがまた傑作でね!周囲にいた別の検体の人格や検体の属性を”グノーシス”投与をきっかけに自分のものとして取り込んだのさ!いや、その実験データだけでもせめて回収できていれば―――って、君は!ハハハハハハハッ!まさかティオ・プラトーだけでなく、”楽園”での検体の片割れまで―――」
醜悪な笑みを浮かべて語ったヨアヒムだったがレンに気づくと声をあげて笑い、興味ありげな表情でレンを見つめたが
「―――もういいわ。知りたい事は全部わかった。もう、それ以上話す必要はない。」
「うふふ、そうやって笑っていられるのも”今だけ”よ。」
エステルが話に割り込んでヨアヒムに続きの言葉を言わせないように話を中断させてヨアヒムを睨み、レンは膨大な殺気を纏って意味ありげな笑みを浮かべてヨアヒムを見つめていた。
「……ごめん、ロイド。少し出しゃばったみたいだ。」
「いや、おかげでこちらもかなり整理できた気がする。―――これで心置きなく逮捕に踏み切れそうだ。」
ヨシュアの謝罪の言葉を聞いたロイドは口元に笑みを浮かべて答えた後ヨアヒムを睨みながら呟き、そして警察手帳を出し
「―――”D∴G教団”幹部司祭、ヨアヒム・ギュンター。自治州法に基づき、傷害、騒乱、不法占拠、薬物使用、虐待などの数多の容疑で逮捕する………!」
「略式ではあるけど、捜査令状、および逮捕状も既に出ているわ!」
「大人しくお縄に付いてもらおうか!」
ヨアヒムの逮捕宣言をし、エリィとランディもロイドに続くように宣言した!
「―――フフ、いいだろう。僕と君達のどちらが目的を達せられるのか………ここは一つ。賭けをしようじゃないか。」
ロイド達の宣言を聞いたヨアヒムは口元に笑みを浮かべた後片手を上げた。するとヨアヒムの全身に瘴気が纏った後ヨアヒムの髪は白髪になると共に瞳は怪しげな紅に変わり、さらにヨアヒムの上空に杖が現れた後ヨアヒムの手に収まった!
「そ、その髪は……!?」
「しかも魔導杖の一種ですか………」
変わり果てたヨアヒムの髪を見たエリィは驚き、ティオは真剣な表情でヨアヒムが持つ杖を見つめていた。
「フフ、僕の髪はこちらの方が地の色でね………”グノーシス”を投与し続けて少々風変わりな体質になったんだ。何せここ数年、まったく睡眠を取っていないくらいだからねぇ。」
「おいおい………シャレになってねぇぞ。」
「なるほど………それで病院勤めをしながらここまでする時間が取れたのか。」
「病院の勤務時間が終わり、全員が休んでいる頃に薬物の開発や量産、か。」
「ま、睡眠を取る必要がないんやから、効率的やな。」
ヨアヒムの説明を聞いたランディは目を細め
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