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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第83話
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その時ロイド達と違い、エステルと共に声もあげずに黙り込んで話を聞いていたヨシュアは真剣な表情でヨアヒムを見つめて問いかけた。

「フフ、その通りだ。だからといって教団内の位階が高いわけではない。そもそも我が教団は、真なる神の元、平等の―――」

「あんたたちの教義なんて正直、どうでもいいわ。―――それより、だったら知ってるはずよね?”楽園”と呼ばれていた風変わりなロッジのことを……」

自慢げに教団の事を語るヨアヒムの話に割り込んで中断させたエステルはヨアヒムを睨んで問いかけた。

「その名前は………!?」

「………………………」

「レンちゃん………」

「………………」

エステルの問いかけを聞いたロイドは驚き、エリィは黙り込んでいるレンを心配そうな表情で見つめ、ルフィナは重々しい様子を纏って目を伏せて黙り込んでいた。



「ほう……その存在を知っているのか?あれは教団の有力者がわざわざ作らせたロッジでね。各地の有力者を取り込み、弱味を握って教団の手づるとする。正直、僕が考えていた実験の趣旨からかけ離れてしまったロッジだったよ。」

「……やっぱり………」

「……推測通りだったか………」

ヨアヒムの答えを聞いたエステルとヨシュアはそれぞれ複雑そうな表情で納得した様子を見せていた。

「なるほど………そういう事か………その”楽園”とやらに引き込んで議長の弱みを握ったんだな!?」

「あ………!」

「やっぱりそう繋がんのかよ………!」

そしてヨアヒムの説明を聞いてハルトマン議長とヨアヒムが繋がっている理由を察したロイドの推理を聞いたエリィとランディは声をあげた。



「フフ、僕は全てのロッジの実験結果に目を通していたからね。6年前の、あの忌々しい作戦で殆んどのロッジが失われた後………丁度いい後ろ盾を手に入れることが出来たわけだ。”ルバーチェ”なんていう、便利な手足のオマケ付きでね。」

「やっぱりか………警備隊を操れているのもそのあたりの関係だな………?」

「そ、そういえば………」

「どうやって”グノーシス”を連中に服用させやがったんだ!?」

「ああ、議長の子飼いである警備隊司令に強引に回させたのさ。ウルスラ病院で開発された画期的な栄養剤という触れ込みでね。クク、まさかこんなにあっさりと信じるとは思わなかったが………」

「くっ………やっぱりか………!」

「阿保司令が……さすがに迂闊すぎんだろ………!」

警備隊が”グノーシス”を服用させられてヨアヒムに操られた理由を知ったロイドは唇を噛みしめ、ランディは怒りの表情で呟いた。



「―――”楽園”に話を戻すがあそこを潰された事には一つだけ大きな心残りがあってね。天才的な
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