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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第83話
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最奥に到着したロイド達は澄んだ色をした湖の中に立っている橋を渡り終え、広い場所に出た。



〜太陽の砦・最奥〜



「ここは………」

「………地下の湖………?」

「こんなモンが広がってたのかよ……」

「地下にこれほどの湖があるなんて………」

広い場所に出たロイドとエリィは呆けた様子で周囲を見回し、地下に予想以上の規模がある事にランディは目を細め、ルフィナは真剣な表情で呟いた。

「皆さん、あれ………!」

その時何かに気付いたティオは声を上げて視線を向けた。ティオの視線の先には祭壇らしき場所にヨアヒムが病院に置いて行ったファイルの中にあった写真と同じ球体の設備があった。

「キー坊の写真に映っていた………!」

「この場所で撮られたものだったのね………」

「……………」

設備を見たランディは声を上げ、エリィは真剣な表情で呟き、レンは厳しい表情で黙って設備を睨んでいた。



………なんかね、暗くてでっかい場所がアタマの中に浮かんできた。上の方がぼんやりと光っててキレイだけど、ちょっとコワイ感じ



「そうか……あれはこの場所の事だったのか。」

そしてキーアの言葉をロイドが思い出して呟いたその時

「フフ………その通りさ。」

ヨアヒムの声が聞こえた後、祭壇の陰から司祭のような服装を身につけたヨアヒムが現れた。

「ヨアヒム・ギュンター………」

「い、いつの間に………」

「………どうやら本当に只者じゃなさそうだね。」

「先程戦った”魔人”の件を考えると奴も恐らく”魔人”と化するだろうな。」

「フン……そのくらいでないと張り合いがないからちょうどいいわ。」

ヨアヒムの登場にロイドとエステル、ヨシュアは厳しい表情をし、レオニダスとゼノは軽口を叩きながらもヨアヒムを警戒していた。



「―――ようこそ。我等の起源にして聖地へ。特務支援課の諸君、そして遊撃士協会と西風の旅団のお客人……歓迎させてもらうよ。」

ヨアヒムは階段を下りながら不敵な笑みを浮かべて階段を降り、広間に降りて来たヨアヒムにロイド達はいつでも戦闘ができるように武器を構えて近づいた。

「っ……」

「……………」

「………あなたは………」

「随分と余裕じゃねぇか……」

「…………………――――ヨアヒム・ギュンター。単刀直入に行かせてもらう。”グノーシス”を投与して操っている人々を今すぐ解放しろ。どんな方法かは知らないが………あんたが操っているのはわかっている。」

仲間達が様々な思いを抱えてヨアヒムを睨んでいる中ロイドはヨアヒムを睨んで命令した。



「ああ、別に構わないよ。」

「え………」

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