プロローグ1
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進司side
昔の夢を見た。
懐かしい…また今より小さい頃の記憶だ…
・・・・・
あれは…俺がまだ6歳だった頃で…
ある日の夕暮れの公園だった。
父さんと母さんが仕事をしている間…俺はよくあの公園で遊んでいた。
そしていつも同じ場所で…同じブランコで遊んでいる栗毛ツインテールの女の子が居たんだ。
最初は気にしていなかった。あの場所がお気に入りなんだろう。ブランコが好きなだけなんだろう。
そんな風に考えていた。…でも翌日も、そのまた翌日もそのまた翌日も…同じブランコで遊んでいた。
そしてあの頃は…遂には俺と同じで夜遅くまで公園に居るようになっていた。
俺は気になったんだろう…もしかしたら俺と一緒で父さんや母さんが忙しくて
遊んでくれてないんじゃないかって…
そして俺はその子に話し掛けた。
「君はなんでいつもここであそんでるの?」
って。
「………」
最初はこんな感じで無言を貫かれて、俺の父さんと母さんが迎えに来るってのがしょっちゅうだった。
でも俺は諦めの悪い質で次の日もそのまた次の日も話し掛けた。
フイッと顔を逸らされたり、最初と同じで無言を貫かれる事もあった
そんなある日だった。
その子が俺に話し掛けてきた。
「ねぇ?なんでわたしに話し掛けるの?他のみんなと話したほうがたのしいよね?
それに…わたしなんかといっしょにいてもうれしいことなんてないよ…」
そんな風に言われた。確かに…会話も全然続かないし…楽しくはないだろう…
それに最初は自分と同じなんじゃないか。って同情で話し掛けたんだろうと今なら思う。
でも今はハッキリとそれは違うって思える。なんというか…ほっとけなかったんだろう。
なんとなくだったが…その子と俺は何処か似ていた気がした。
だからこそ…自分みたいにハッキリと言わなきゃきっとこの子は後悔するんじゃないか。
って思ってしまったんだ。最初の頃は父さんと母さんは仕事が忙しくて…
俺が寝ている間に帰宅する事が普通だった。
そんなある日父さんと母さんに俺は言ったんだ。
「どうしていつも家にいないの?…僕のことがきらいなの…?」
って。それを聞いた時父さんと母さんは目を丸くして…その後泣きながら俺を抱きしめて
「ごめんね」「ちゃんと気付いてあげれなくてごめんね」って言ってくれた。
その日以来。父さんと母さんは早くに帰ってくるようになった。
そしてよく遊んでくれるようになったんだ。
あの頃の自分とこの子は似ていたんだ。
だからほっとけなかったんだろう。それに…俺は多分だけど…この子の事が気になってた
べ、別に好きとかそんなんじゃないぞ!?…でもだからあの子に言っ
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