第60話甘くてほろ苦い
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コレクションとかガラクタしかなかったから大して問題ないけど。
「あ!もう家着いたよ!」
「あ、着いたか。ここが亜利沙の家・・・」
デカイなーーー今どき珍しい和風建築だけど、結構良い家柄なのは分かるぞ。
「私の家、結構色んな分野で成功しててね。叔父さんなんて武道の達人で道場開いてるんだ。婿入りだから名字が違うんだけど・・・南雲白夜って知ってる?」
「南雲白夜!?」
え?ウソ?まさか、あの人がーーー亜利沙の叔父さん!?
「知ってたんだ・・・すごい過剰反応だけど」
「・・・チビの頃からそこで武道を習ってた。娘の木霊とは幼なじみだ」
「ウソ!?」
マジだ。オレがSAOで《体術スキル》を習得したのは白夜おじさんのーーー師範の教えてくれた武道の影響がデカイ。通り魔事件の後からやめちゃったけど、なんとなく忘れられなかったのかな。しかも師範の娘でオレの幼なじみの木霊と従姉妹とは、案外世間って狭いんだなーーー
「え〜っと・・・じゃあ買い物終わったみたいだから、オレ帰るな」
「あ!ちょ、ちょっと待って!!」
今ごろ師範と顔を合わせられないと思って帰ろうとしたけど、亜利沙に呼び止められた。その直後、亜利沙は急いで家の中に入っていったーーー急いでるからなのかすごい音が鳴ってる。時々タイヤが擦れたような音も聞こえるしーーーあ、息切らしながら戻ってきた。
「ハァ・・・ハァ・・・」
「お、おい、大丈夫か・・・?」
「大丈夫・・・それよりコレ・・・」
「?」
息を切らしながら戻ってきた亜利沙が、オレにピンク色の小箱を手渡してきた。これはーーー
「chocolate?」
「えへへ・・・貰ってくれる?」
え〜っと、これはーーー友チョコってやつか?それともお礼チョコ?何か少し揺らすとコロコロ音が鳴るな。トリュフチョコレートか。『かなり自信あるんだ』って言ってる辺り、手作りチョコ?なんか嬉しいな、女の子からこんなの貰うと。
「ありがとな。アメリカ行く時は、みんなで出迎えに行くよ」
「うん。日本に帰るまで、《リトルギガント》の完全復活はお預けね」
オレはチョコを受け取って亜利沙と短い会話を交わして、帰路への歩みを進めた。口の中に、甘くてほろ苦いチョコレートを放り込みながらーーーそうだ、まだ返信してなかったな。
遼太郎side
【ピロリン♪】
「お!やっと返してきやがったな!」
二時間くらい前にリュウの字に送ったメール、ようやく返信してきやがったぜ!全く!やっぱあいつもチョコ貰えなかったか!?まあこれで顔がよくてもチョコを貰える訳じゃねぇってのがあいつも身に染みて分かっただろ。キリトの野郎は美
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