ハイスクールD×D ぼくと先生と『私達』
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力でスキル【外科手術】に必要な縫合用の針と糸を作り出し、傷口を縫い合わせていく。体内の異物は同じく魔力で生み出したメスとピンセットで取り除く。やれる限りの事をやった後はハンカチを裂いて包帯代わりに巻きつける。
「とりあえずはこんなところだろう。これにて幕は降り、夢は覚める」
再び意識を入れ替える。頼まれたから治療した。それだけだ。だが、グレイフィアは納得しないだろうな。案の定、ミリキャスが眠った後にグレイフィアに会って欲しいと頼まれたので表に出る。
「昼間の件か」
「分かっているなら何故!!」
「ミリキャスに頼まれたからだ。情操教育に関しては親に一任すると言ったはずだ。危険であれば私も対処したが、重傷相手にそこまで危険は感じなかった。治療後に意識もなかったからな。それで、件の転生悪魔はどうした?」
「ミリキャスのこともありますから監視をつけるだけにしてあります。ただし、グレモリー家でもトップクラスをですが」
「それに関しては私は何も言わない。ミリキャスに危険が迫らない限り、私が自主的に動くことはない。さらに言えば危険から遠ざかるのを優先するつもりだ。私の優先順位はミリキャスだ。今回は傷ついた生き物を救いたいという純粋な願いだ。これだけなら問題がない。むしろ、優しい良い子だ」
「それは、そうですね」
「問題だったのは相手側だ。その点で私を責めても御門違いという奴だ」
「……申し訳有りません」
「いや、子供を大切に思う気持ちは尊いものだ。気にすることはない。問題はこの後だ。あの転生悪魔をどうするか。ミリキャスは飼いたそうだぞ」
「そこが問題なんですよね」
「まずい相手なのか?」
「SS級のはぐれ悪魔、主人殺しの黒歌です」
「主人殺しのはぐれ悪魔か。ふむ、あれが?」
「何か疑問が?」
「はぐれ悪魔とは欲から体に変質をもたらすと聞いていたが、それにしては綺麗な体をしていたな。生物学的観点から言わせて貰えば種の変化は悪魔になった時のみだろう。その主人殺し、主人側に問題があったのではないのか?」
「本気で言っているのですか?」
「これでも多くの人を見てきた。あの眼は精々スラム街で生きている子供ぐらいの曇り方だ。十分矯正は可能だな。調べる価値はあるだろうな」
「基準がわかりにくいのですが」
「生きるために悪いと思っていてもやるしかない。そういう奴の眼だ。うん?やれやれだ、まだ完治していないのにな」
たまたま視界に件の猫が見えた。気配遮断でグレイフィアを振り切り、魔力で肉体を強化して走り、そのまま拾いあげてミリキャスの部屋の窓からこちらの方を見ているグレイフィアに向かって投げる。投げる瞬間に攻撃態勢と認識されたのか、私の姿を見て驚いている顔と目
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