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ハイスクールD×D ぼくと先生と『私達』
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ヒントはほとんど与えている。さあ、私は誰だ?」

先ほどの話のキーワードは殺人鬼、人間、望まぬ殺人、望んだ殺人だろう。これだけではさっぱりわからない。いや、『私達』に私の全てを与えると言っている。全て、それには名も含まれているのではないだろうか?だからミリキャスはジャックお兄ちゃん達、ジャックお姉ちゃん達と言ったのではないだろうか。ジャックの名を持つ殺人鬼で真っ先に思いついたのがこの名前だ。

「切り裂きジャック、ジャック・ザ・リッパー」

「正解だ。堕胎と言う望まぬ殺人を行なわされ、それを行わせる娼婦を望んで殺した存在。まあ、交じり物の贋作だがね」

「交じり物の贋作?」

「あの事件は未だに解明していない。無論、犯人も不明だ。そして私自身も名を忘れてしまった。だが、明らかに私が殺した覚えのない者の殺人の記憶がある。つまり模倣犯の物や物語の物、簡単に言えばジャック・ザ・リッパーの全てが本来のジャック・ザ・リッパーに混ざってしまったのだよ。よって私は贋作だ。贋作であるが心は本来のジャック・ザ・リッパー。それが私だ。むっ、そろそろ私は引っ込むとしよう。これ以上はミリキャスの負担となる。できる限り、そちらからの会談を受け入れよう。ミリキャスの負担にならない程度にな。では、また会おう」

その言葉と同時に気配がミリキャスのものに戻り、コートが消え、ミリキャスが倒れる。確認してみてもただ眠っているだけのようだ。

「サーゼクス、どうします?」

「予想の斜め上を行かれてしまったね。なんと言えばいいのだろうね。ミリキャスを救ってくれたのは感謝する。あのままだったら死んでいたというのは、多分本当だろう」

それは私にもわかる。

「『私達』とミリキャスを大切に扱っているのも、本当のことだろう。問題は先生自身だ」

「それは、どういうこと?」

「彼が切り裂きジャック本人だというのはこの際どうでもいい。だが、混ざっているといったよね。私もジャック・ザ・リッパーの本はいくつか読んだことがある。その多くは享楽殺人犯や狂人だった。そちらに流れてしまうのではないか。私はそれが怖い。そしてそれにミリキャスが影響を受けるというのも」

「……私は、それはないと思うわ」

「なぜだい?」

「少しだけ、『私達』、ミリキャスが言うジャックお兄ちゃん、お姉ちゃん達の話を聞いたの。『私達』は本当に純粋な子供達ばかりだっていうのがミリキャスを通して観れたわ。むしろ怖いのは『私達』の方ね」

「それはどうしてだい?」

「言っていたでしょう。温もりを強引に求めてしまうこともある無垢なる邪悪だって。悪気はなくてもやってしまう。子供としてはごく当たり前の行動。それがどう出るのかがわからないわ」

「なるほど。そちらもあったか。難
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