暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
第2章:異分子の排除
第30話「デュノア」
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。」

「当たり前だ。進みは遅いが、立ち止まらないのが俺だからな。」

  同時に動きだし、同時に武器をぶつけ合う。
  すぐさま動きを変え、再び武器を振るい、またぶつかり合う。

「ふっ!!」

  今度はぶつけ合った反動で間合いを取り、ブーメランのように反った剣を展開して投げる。

「むっ!」

「はぁあっ!!」

  弧を描くようにそれはラウラに向かっていき、同時に俺もまた間合いを詰める。

「小賢しい!」

「っ、くっ...!」

  だが、それは両手首から展開されるプラズマ手刀により叩き落される。
  さらに、そのまま俺のブレードにぶつけることで、先ほどと同じ構図になる。

「相変わらずAICには引っかかってくれんなぁっ!」

「当たり前だ...!一対一で引っかかるのは致命的...だっ!!」

  そう言って気合でラウラを吹き飛ばす。
  ...そう、先ほどの投擲はラウラのAICを封じるためだった。
  複数の対象に向いていないAICの特性を使い、まず二振りの投擲用の剣を投げつける。
  そして、同時に俺も攻撃することで、俺を止めれば剣で切り裂かれるようにしたのだ。
  ...まぁ、こんなのはちょっとした工夫なだけだけどな。

「その通りだ!...だが、やはり貴様とはAICなし...いや、接近戦のみでやりあう方が面白い!」

「そうか、そいつは嬉しいな!」

  切り付け、防ぎ、相殺し、避ける。
  ドイツにいた時も思ったけど、ラウラは戦闘狂の節がある。
  だからか、桜さんみたいに様々な戦い方にコロコロ変える事もないみたいだ。

「(だからこそ...ラウラとの戦いは俺自身の強さがよくわかる!)」

  純粋な接近戦による斬り合い。それは俺がどこまで強くなったかよくわかる戦いだ。
  機転を利かせたり、相手の予想外な行動を取るのも実力の内ではあるけど、純粋な、俺そのものの実力はこういう相手じゃないと分かりづらい。

「..........。」

  偶々俺たちの模擬戦を見学していた人たちは、ISらしからぬ剣戟に呆然としている。
  まぁ、せっかくのISの機動性を使わない戦いだからな。
  純粋な戦闘技術でのみ、俺たちは戦っている。

「はぁっ!!」

「むっ...!」

  円を描くようにブレードを振るい、プラズマ手刀を二つとも弾く。
  がら空きになった胴目がけてさらに振るおうとして...咄嗟に飛び退く。
  瞬間、そこを蹴りが通り過ぎる。

「....ふっ、準備運動もこれくらいでいいだろう。」

「やっぱ本気じゃないよな。」

  そう、ここからはISの機能も使った戦いだ。
  ここからが本番。本気で行くか!


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