第2章:異分子の排除
第30話「デュノア」
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の?」
「俺一人でもすぐ分かる事だったが...教えて貰ったんだよ。お前の父親に。」
「....えっ?」
まさか親に真実を教えられていた事に驚きを隠せないデュノア。
...まぁ、当然だよな。指示した本人がばらしたも同然だし。
「....実質、デュノアが俺達のデータを盗んでも、意味がなくなるんだよな。...だって、ある程度ならいつでも...とまでは言わないが、必要なら見れるようになるし。」
「え....え?」
俺の言う事が理解できないのか、戸惑う。
「俺、情報を聞かされた時、なんて言われたと思う?“娘を頼む”だってさ。」
「ぁ....。」
ペラペラと喋っていく俺を余所に、ようやく合点が行ったのかデュノアも目尻に涙が溜まってくる。
「...ホント、不器用な父親だ。笑っちまうよ。....だが、だからこそ好感も持てた。」
「お父...さん....。」
感動してるとこ悪いけど、言う事言ってしまわないとな。
「それで、どうする?俺達の会社に入るか、父親の不器用な優しさを蹴ってまで独房に入るか。どっちを選ぶ?」
「...卑怯な聞き方だね。選ぶ余地なんて、ないよ...。」
そう言って俺の提案を飲むデュノア。
「...でも、それだとお父さんは...。」
「ああ。無事では済まないだろうな。」
元々、アウトな事を仕出かしたし、それを自分から暴露するつもりらしいからな。
「だから、こうする。」
「えっ?」
「あっ....。」
俺がスマホを取り出して連絡を取り始めた事にデュノアは疑問符を浮かべる。
...秋十君は察してしまったらしい。
「もすもすひねもす〜?」
【ああっ!?それ束さんのセリフだよ!しかも態々声真似したー!】
束の声真似をしながら束に電話を掛ける。
電話の返事として聞こえてきた声に、デュノアは固まった。
「あー...やっぱり...。」
「あ、あああ、あれってもしかして...!?」
「...そうだぞ。世間で騒がれてるISの創作者、篠ノ之束さん。こっからさらに驚く事になるかもしれないから、落ち着けよ。」
「さ、さらに驚くって...。」
慌てるデュノアを落ち着かせようとする秋十君。
...なんか遠い目をしてるのは気のせいかな?
「頼んでいたのはできているか?」
【もちろんだよー。いつでも潰せるよ!】
「そうか。...っと、取り込む人材をリストアップしておいたから、送るぞ。」
【オッケー。】
片手で端末を操作して、束にデータを送る。
...ちなみにこれは、デュノア社内のまともな奴をまとめたリストだ。
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