暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/The key to an absolute victory
予選 午前の部
[2/2]

[8]前話 [9] 最初

その声で、現実に引き戻された。
目の前には、グチャグチャになった得体の知れない何かがいた。
吐き気がする。眩暈眩暈眩暈眩暈眩暈眩暈眩暈眩暈眩暈ーー

いや。

狂いそうになるのを堪えて、立ち上がった。
辺りは惨状だった。
他のマスターは、500人ほどだろうか。得体の知れない何かに喰い散らかされていた。そして、得体の知れない何かは今の餌(オモチャ)に飽きたら、次の餌に飛びかかり、狂喜して喰い散らかす。
それの繰り返し。

「セイバーっ!」
「はっ!」
ガウェインが、得体の知れない何かを切り捨てていく。他にも、戦っているマスターはいるようだった。
そんな中、俺は呆然と立ち尽くしていた。
何も出来ない。
そんな虚無感が俺を満たしていった。
数分後、辺りは真っ赤で、鉄の臭いが充満していた。臭い。
他に人はいない。俺は、ゴミが乱暴に投げ捨てられたかのような死体の山に立ち尽くしていた。
何人だろうか。いや、考えている暇は無い。
俺はセイバーを連れて外に出た。


外は異常が無かった。
まるで、あの建物の中が異常だったかのように。だが、あの中とは決定的に違う所がある。
「人が...........いない................」
そう、誰もいないのだ。
影すらない。
「アンタも生き残ったんだな。」
背後から声がし、振り向いて構えた。
「まぁ、そう警戒するな。マスター同士だろ?」
そう言われ、警戒を解く。
「アンタは?」
俺は目の前の男に問う。
後ろの銀髪の少女は........サーヴァントだろうか?
「俺は佐々峰。んでこっちがサーヴァントのアサシン。」
アサシンはこくり、とお辞儀をした。
「まぁお互い頑張ろうや。死なない程度にな。」
そう言い、佐々峰は立ち去った。
「セイバー。お前はあいつらをどう思う?」
相手がよく分からない今、とりあえず他人の意見が欲しい。
「殺気は無かったのであまり警戒する必要は無いでしょう。ですが、アサシンとなると相手にしたら危険です。早めに始末するか、味方にした方が良いかと。」
味方に.......そうだ。
それがいいだろう。
味方にしてしまえばこっちのものだ。
「そうだな。今度見かけたら、いや、早めに見つけて味方にしよう。」
「了解しました。」
そういえば、今何時だ?
狂ってから、相当時間がたった気がする。
見たら、12時を回っていた。
その瞬間、
「これより予選の午前の部を終了する。休憩時間に入るので、ゆっくり休んで次に備えてくれたまえ。」
そう聞こえた。また強制転移か、と思いつつ、目を閉じた。
[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ