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STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#11
闇夜の血闘 紅の魔術師VS幽血の統世王V 〜World's End〜
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《うわごと》のように呟く。
 だがその瞳は闘志を失わずボロボロの身体とは相反して、
遠間で立つ幽鬼のように虚ろで堕天使のような壮絶な存在感の男を鋭く射抜いていた。
 その男、邪悪の化身DIOは両腕を組んだ余裕の表情のまま、
右手の指を哲学者のようにすっと顔前に持ち上げる。
「動かない方が良い。いま君の周りを私の 『スタンド』 が取り囲んでいる。
操作は 『遠隔自動追跡』 になっているから射程距離に入れば
私の意志に関わらず攻撃にかかる。命が惜しければジッとしていたまえ」
 思う様シャナに破壊欲求を吐き出し、一通り満足したのか
口調は貴公子のそれに戻っていた。
「!!」
 その男の言葉に、シャナは思わず意識を大刀から逸らし周囲を警戒する。
 最早完全にDIOのペースに呑み込まれていたが、
もうそこまで気を廻す精神的余裕は砂漠の砂一粒ほども残されていなかった。
 シャナは電流に灼かれた全神経を無理矢理フル稼働させて
周囲360度に向けて研ぎ澄ました。
 自分を取り囲む全ての存在を、五感を総動員して感じ取る。
 背後の瓦礫の質量。封絶の放つ火の香り。DIOの微かな衣擦れの音。
気流の流れ、空気の淀みまでも全て感じ取れた。 
 だが、それ以外何もない。
 音も聞こえない。気配すら感じない。
「ハッタリを!」
 一歩踏み出したシャナの脇を、背後を、正面を、足下を、頭上を、
煌めくナニカが通り過ぎた。

 

 ドグッッッッッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!! 



 何の脈絡もなく上がった破壊音。
 ソレが自分の躰から発せられたものだと察するまで、シャナは数秒要した。
 黒衣に覆われた華奢な身体に、巨大な拳型の刻印が無数に穿たれている。
 全方位から微塵の誤差もなく均等にダメージを与えられた為、
身体は一oも動かずその場に縫いつけられた。
「あ……」
 口元から血が細く伝い、足を支える力が抜けて膝が
アスファルトの上に崩れ落ちる。
「『WORLD21』……我がスタンドの 「原型(プロトタイプ)」 とも言える姿だ……
お気に召したかな……? 「亜光速」 のスタンドの動きは……」
 耳元で掠れるDIOの声を聞きながら、シャナはアスファルトの上に倒れた。
 何も、解らなかった。
 感じ取れなかった。
 どこから攻撃されたのか、何をされたのかすら。
 感じたのは、ただ痛みだけ。
 残ったのは、攻撃されたという 「結果」 だけ。
(はや)い……なんてもんじゃない……ッ! “見えないッッ!!”)
 絶望的な思考が頭の中で演算されながらもシャナの躰は、
その心を無視して立ち上がろうとしていた。
 戦いの申し子、フレイムヘイズの本能。
 そのシャナの様子
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