第22話『開幕』
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だ。魔術だって実力の内だ。足の速い奴、頭の良い奴、才能のある奴・・・コイツらと何が違う?」
屁理屈に聞こえるけど、一理ある気がする。
部長のロマンチック理論には敵わないな…。
「とりあえず、今日は魔術部の晴れ舞台だ。スマートにやってくれよ!」
「「はい!」」
俺と暁君の返事が揃う。やるっきゃねぇな!!
…えっと、“スマート”ってどういう意味だっけ…?
*
パンパパン!!
いよいよプログラムが開始する、という合図の爆竹が鳴り響く。だだっ広いグラウンドには全校生徒300人以上が揃っていた。そして各々、赤、青、黄、緑のいずれかのハチマキをしている。
ただ、規模は普通の中学校とさほど変わらないのであろうから、ただただ広いグラウンドが目立った。
「晴登、目指すは優勝!だよな?」
「おう!」
大地が鼓舞するためか声を掛けてきた。
ちなみに俺のクラスの1組は赤団だったりする。
「無駄に意気込んじゃって〜。負けた時の後悔が大きくなるだけだよ?」
「出鼻を挫くようなこと言うんじゃねぇよ…」
すかさず莉奈が何気に酷いことを言う。
うん、絶対コイツは学級委員に向いてない。
「1組集合!」
すると、今度は山本先生から召集が掛かる。
何か今日は既に忙しいな…。
「えー、皆は中学校初めての体育祭だ。是非優勝をとって、今後の生活を有意義にしよう! 全力で頑張ってくれ!」
「「「はい!!」」」
1組の全員の声が重なる。
それにしても、こういう短い話は好きだな。さっきの開会式の校長の長々とした話よりは圧倒的に良い。
校長の話が長いってどこも共通なんだね…。
「ちなみに最初のプログラムは君たちの『100m走』だ。最初が肝心だぞ!」
「「はい!」」
100m走か。インドア派の俺にとっては100mですら長距離なんだよな…。
まぁでも、今回は秘策が有るんだ!
「頑張りなよ、三浦」
「副部長」
不意に後ろから声を掛けられたため、俺は振り返る。
するとそこには、赤いハチマキに赤い大きな旗を持つ、副部長の姿があった。
何を隠そう、副部長は赤団団長である。
仕切るのとか上手そうだし、うってつけではないだろうか。
「アンタの作戦はバッチリよ! 自信持っていきな!」
「はい!」
熱い応援を掛けられ、力が入る俺。やっぱ焔使いの言葉は違うな〜。
ちなみに、作戦というのは次の100m走においての魔術についてだ。我ながら良い作戦だと思う。しかもシンプルだし。
「行ってきます、副部長!」
俺が元気にそう言うと、副部長は
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