暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第22話『開幕』
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ても良いのだが…。いや、起きるか。



やけに家が静かだ。
俺が一階へ行こうと階段を降りているとき、その音が家中に響いたため、俺はそう思った。
もしかすると、母さんらはまだ起きていないんじゃないか?

・・・起きていない方が好都合か。俺の魔術部所属はあまり明かしたくない。あの部活の雰囲気はとてもじゃないが不思議すぎる。だから、そんな部活に入っているから、と心配されるのは心外なのだ。


「暇だし、もう行くか」


俺は朝食の準備を始め、まだ早いのだが学校へ行くことにした。
別に生徒が早く来ても何の問題もないだろうし、向こうにいれば家族と余計な会話をしなくて済む。
それに、時間を気にしなくてもよくなるから楽だ。





「いただきます」


朝食を軽く作った俺は、すぐに食べ始める。
ちなみにメニューはご飯、味噌汁、牛乳、そしてデザートにバナナといった所だ。和食の中にバナナのチョイスはどうかと思うが、バナナは体育祭の必需品とも呼べる代物だ。これは外せない。





「ごちそうさま」


早々に食べ終わった俺は、いよいよ学校へ行く準備を始める。
必要なものは水筒とタオルと後は・・・まぁそれくらいしかないか。


「行ってきます」


そして誰も起こすことなく、俺は静かに家を出た。







「やっぱ誰も居ないよな」


学校に着いたが、周りに見えるのは学校の建造物と数名の誰かの親と先生方。生徒の姿なんて一つも見当たらなかった。


「さて、どこへ行こうか」


だがその言葉を言うよりも早く、俺の足はある場所へ向かっていた。


『魔術室』


──と、書かれている看板がある教室の前に、俺は立っていた。
やっぱりここが俺の居場所である。しばらくはここで過ごすとしよう。

俺は扉に手を掛け、いつもの様に開いた。


「よう、三浦」


こちらを振り返りながら、クールな声で呼びかけてくるクラスメートが、部室には居た。
しかもよく見ると、部室に居たのはその一人だけではない。


「ホントにこのメンバーで大丈夫なんでしょうね?」

「俺の頭脳に狂いはない!」

「じゃあ俺の頭脳と勝負しますか?」

「おっと暁、それはまた今度な」


暁君に部長に副部長。俺以外に魔術を使うことのできる三人が、既に部室に揃っていた。
相も変わらず口論をしていたようだが、今回は暁君も混ざっている。


「何でこんなに早く…?」


俺はたまらず思ったことを口にする。
すると部長はあっさりと答えた。


「偶然偶然。暁やお前も早く来たのは驚きだわ」

「ちょっと、何で私は予想通りなのよ!」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ