EPISODE8.黒を纏う
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「明日、あいつ等は完全聖遺物のデュランダルを運ぶわ。それを襲撃して奪いなさい。」
「解ったよ、フィーネ。」
クリスはそう呟いた。
「へえ、こっちの世界ではデュランダルも完全聖遺物で残っているのか。」
「凄いよね〜。ネフシュタンの鎧にソロモンの杖、さらにはデュランダルでしょ。まだ他にも見つかっていないだけで沢山あるんじゃないの?」
「キョウヤ君達の世界では、完全聖遺物は珍しいのかい?」
「そりゃあな、俺達の世界で見つかった完全聖遺物なんてアイギスの盾ぐらいなもんだぜ。」
「それに、発掘された完全聖遺物はフィーネが統括している研究班が対ノイズ用の兵器の研究にといって持っていってしまうんですよ。」
「そうなのか。着いたぞ。あれが我々の所有している完全聖遺物、デュランダルだ。」
弦十郎の言葉を聞きキョウヤ、美冷、響は前を見る。そこには機械によって厳重に保管されている錆びた剣が一振あった。
「あれが完全聖遺物、デュランダル……」
キョウヤは驚く。
「ああ、その通りだ。それで、響君達には移送の際の護衛を頼みたい。」
「なるほど。大丈夫か、響ちゃん。」
「うん。平気、へっちゃらだよ。それに、クリスちゃんに会えるかもしれないし。」
「響ちゃん、それは難しいぞ。響ちゃんに戦う意識が無いのは解る。でもあいつはこちらを敵としか認識していない。その固定概念を払うのは極めて難しい。出来るのか?」
「やってみます。私の胸のガングニールは、その為にあるんですから。」
「そうか。ところでオッサン、移送は何時やるの?」
「ああ。明日の8時、それが作戦の開始時間だ。」
「了解。美冷、久し振りに二人で遊びに行こうぜ。初めての東京観光だ。」
「いいの、キョウヤ?」
「ああ、勿論。仕事以外ではフリーなのがここのルールだ。」
「へえ〜。それじゃあ弦十郎さん、キョウヤの面倒は任せて下さい。」
「おいおい、美冷は何時から俺の保護者になったんだ。」
「キョウヤと初めて遭ってからずっとでぇ〜す。」
「そうかそうか。さて、そうと決まればさっさと動くぞ。たまには、二人で食事もいいだろう。」
「本当ッ!?ありがとうキョウヤ!」
「さっ、行こう。」
キョウヤは、既に夕刻になっているにも関わらず美冷を連れて外に出る。
「あの、師匠。私も、一度帰っても大丈夫ですか?」
「ああ、勿論。だが、くれぐれも作戦に支障をきたさないように頼む。」
「解りました。」
響も、外に出る。
「さあ、我々も準備と行こう。」
弦十郎は動きだす。
「そうね、弦十郎さん。」
その後ろ姿を見ながら、了子は不適な笑みを浮かべた。
「オラッ、食らえー!」
キョウヤは美冷と一緒にゲームセンターに設置されているシューティングゲームで遊んでいた。
「美冷、こうしていると、昔を
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