第三十三話 ラ・ロシェール強襲
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と落ちていった。
……
「ん……あれ?」
何かに揺られる様な感覚に、目を覚ますと、アニエスは担架に寝かされラ・ロシェールへ戻る道中だった。
「起きたか」
「隊長」
ド・ラ・レイはアニエスのすぐ隣に歩調を合わせるように歩いていた。
「あの……リッシュモンはどうなりましたか?」
「死んだよ。心臓を一突きだ」
「そうですか」
アニエスは全身の力が抜ける様な感覚を覚えた。
アニエスからは見えないが、リッシュモンの死体は死体袋に入れられ隊員が運んでいる。
「あの他の人たちは、どうなったのでしょう?」
「ドンとペリーは重傷だが、命に別状はない。民間人3人は軽傷だ」
「あの、ヒューゴさんは?」
「ヒューゴの奴は足を捻挫しただけだ。本人は骨折したと言っていたが副隊長にどやされるとすぐさま起き上がって持ち場へ帰って行ったぞ」
「ハハハ……」
乾いた笑いがアニエスから漏れた。
「さて……」
ド・ラ・レイは神妙な顔つきになった。
「見事、本懐を遂げた訳だが、これからどうする? 除隊するか?」
「え……」
「マクシミリアン殿下からは、敵討ちの為の力を授けてほしいと、直々にお願いされていたからな」
「……」
「まぁ、答えを出すのは、今すぐでなくてもいい」
「いえ、答えはもう出してあります……もうしばらく、コマンド隊にご厄介させて貰えませんか?」
「断る理由が無い」
「これからも宜しくお願いします」
「うむ」
アニエスは全身の虚脱感に身を任せ、そのまま眠りについた。
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