第三十三話 ラ・ロシェール強襲
[6/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
イスチェンジの指輪』を破壊されただけでなく手も負傷したリッシュモンは杖を持ち替え、再び『ファイア・ボール』を放った。
先ほどと同じように岩陰に隠れ『ファイア・ボール』をしのぐと、また反撃したが、これは当たらなかった。
「くっ!」
.38口径の給弾を手早く済ませ、3発発砲。が、当たらない。
「落ち着け落ち着け落ち着け」
ブツブツと独り言を呟くアニエス。
仇の男をこの手で殺す願ってもいない状況に恵まれた事で焦りが生まれていた。
「もう少し近づかないと」
自分が焦っている事に気付かないアニエスは強硬手段を取ろうとしていた。
「魔法を撃ったら全速力……よし!」
『ファイア・ボール』が岩に着弾したタイミングでアニエスは岩陰から出て全速力でリッシュモンに迫った。
「はああああっ!」
「子供か!」
パンパンと.38口径を撃ちながらアニエスはリッシュモンに迫った。
リッシュモンは腕や腹に銃弾を受けても、スペルを唱え続けた。全弾撃ちつくしたアニエスは.38口径を捨ててナイフを取り出しリッシュモンへ突き立てた。
だが、アニエスのナイフが仇の身体に食い込む前に、リッシュモンは『ファイア・ボール』のスペルを唱え終えた。
「死ね!」
杖から火球が発生しアニエスの身体を燃やした。
「うわああぁ!」
アニエスの身体は炎に包まれ、炎を消す為に地面を転がった。。
リッシュモンは転がるアニエスの元へ近づき、腹をつま先で蹴りつけた。
「ぐふっ」
「平民風情が調子に乗りおって! このっ、死ね!」
ガスガスと何度も蹴りつけられ、アニエスは遂に動けなくなった。
「ううう……」
動けなくなったが、まだアニエスは諦めてはいなかった。
「手間を取らせおって、今すぐ殺してやる」
リッシュモンは杖を掲げ止めを刺そうとした瞬間。
パァン!
という音の後、杖を持ったリッシュモンの腕が吹き飛んだ。
「うぐおおぉぉ!」
「アニエス!」
声の先にド・ラ・レイと数人のコマンド隊員が居た。
先ほどの攻撃はド・ラ・レイの隣に.308口径の狙撃銃を持った隊員が放った一発だった。
そして、次々と空へ向かって照明弾が打ち上げられ。さらに数人のコマンド隊が応援に駆けつけてくれた。
(チャンスは今しかない!)
肘から先が吹き飛んだリッシュモンは、どうしたら良いかうろたえるばかりだった。その光景を見てアニエスは最後の力を振り絞って、身体ごとナイフをリッシュモンにぶつけた!
「うわああああああ!!」
アニエスは吼え、ナイフはリッシュモンの胸に深々と刺さり、二人は転がるように緩やかな崖へ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ