第三十三話 ラ・ロシェール強襲
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あの分厚いバスローブを羽織った姉ちゃん」
4人の娼婦は横並びで歩いていて、アニエスは後ろから見て右側の娼婦を見た。
「綺麗な人ですね」
「だろ? 綺麗なんだけど何か違うんだよ」
「どう違うんですか?」
「うなじが、さ……うなじが、そそらないんだ」
「はぁ?」
「おかしいだろ? あんなに美人なのに、もしかして顔から下は別人じゃないのか?」
ヒューゴはヘラヘラ笑いながら喋っていたが、場の空気が妙な方向へ変わっていった。
「……」
「……」
ベラベラ喋っていた娼婦は急に黙り込み、他の2人の娼婦も明らかに挙動がおかしい。
不穏な空気を察した別の二人の隊員が腰に挿した銃に手をかけた。
「そこの人、ちょっといいか?」
「……」
「手を頭の後ろに」
「……」
「駄目よ! みんな逃げて!」
「助けて!」
娼婦達の絶叫と同時に『おかしな娼婦』が魔法を放った。
爆炎が周囲を包み、二人の隊員は炎に包まれアニエスたちも爆発の衝撃波で地面に叩きつけられた。
3人の娼婦も衝撃波で倒れたが、見た限りでは気絶しただけだった。
「馬鹿共め!」
『おかしな娼婦』は吐き捨てるように言うと、走り去っていった。
「おい、アニエス動けるか?」
「な、何とか。ヒューゴさんは?」
「俺は、足が折れたみたいだ。ドンさんとペリーさんも追えそうにない」
ドンとペリーと呼ばれた二人の隊員は、全身に大火傷を負い、危険な状態だ。
「前に聞いた事がある、『フェイスチェンジ』って奴だ。多分中身は男だよ」
「え、男!?」
「アニエスは奴を追うんだ。ひょっとしたら大物かもしれない」
「わ、分かりました。後の事はお願いします!」
「おう」
アニエスは全身の痛みを堪え立ち上がると、逃げた娼婦を追って走り出した。
……
逃げた娼婦を追って、山道下っていくと、暗闇の中薄っすらと娼婦の後姿が見えた。
アニエスは腰の.38口径の残弾を確認し、娼婦に向けて発砲した。
弾は娼婦の足元に着弾した。
「おのれ!」
娼婦は振り向きざまに『ファイア・ボール』を放った。
アニエスは近くの岩陰に避難すると『ファイア・ボール』が岩を焦がした。
すかさず.38口径で反撃、3発中1発が娼婦の手に当たった。
幸運にも、マジックアイテムを破壊したのか、娼婦の顔が見る見るうちに男の顔に変わった。
「おのれ、よくも『フェイスチェンジの指輪』を」
「あの顔、たしか……」
かつて、新宮殿で仇のリッシュモンの似顔絵を見せて貰った時の事を思い出した。
「リッシュモン!」
『フェ
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