第三十三話 ラ・ロシェール強襲
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らされた。
反乱首謀者のリッシュモンがチェルノボーグへ移送中に反乱貴族に奪還されたというのだ。
エドゥアール王は、マクシミリアンを介して密偵団に対し、直ちにリッシュモンの行方を探す様に指示し、密偵団だけでなく王宮からも人を出して捜索に当たらせていた。
その甲斐あってか、密偵団がリッシュモンの居場所を掴む事ができた。
場所はトリステイン南部の町ラ・ロシェールで、山間の街で世界樹を桟橋代わりに利用した港町だ。
どうやら、リッシュモンはフネでロマリアに逃げ込むようだった。
転戦中にこの事を知ったマクシミリアンは、新宮殿で待機しているコマンド隊にリッシュモン追跡を命じた。
……
コマンド隊を乗せたフネはラ・ロシェールへを目指して進路を南に向けた。
船内では、詰めのミーティングが行われていて、その中にアニエスの姿があった。
アニエスはこの内乱の引き金が自分にあったことを知らない。
『あえて、知らせる必要はない』
と、隊長のド・ラ・レイは判断した。
開戦から1ヶ月、地獄の訓練に耐えた結果、何とか実戦に耐えられる練度を判断され、アニエスに初陣の機会が回ってきた。
……とはいえ、下っ端でだが。
「密偵団からの情報では、ラ・ロシェール内の『女神の杵』亭に宿泊しているとの事、目標の捕縛もしくは殺害が許可されている。護衛のメイジは5人以上を確認。各員、気を抜かないように」
「降下予定地点はラ・ロシェールを10リーグ下った場所だ。これは敵に我々を察知されないための処置でもある」
「コマンドー!」
「1時間後に予定空域に到着する。全員降下準備後、待機だ」
「コマンドー!」
各隊員は準備に取り掛かった。
アニエスが準備をしていると、一人の男が声を掛けてきた。
「よう、アニエス。」
「ヒューゴさん」
この男は、名前をヒューゴといって、アニエスが入隊するまでは一番年下の下っ端で、アニエスが入隊した事で下っ端から解放され、それ以来何かとアニエスに絡んでくる男だった。悪い男ではなく、愛嬌と菓子を奢ってやる程度の気前の良さをもっていた。
「意外だったな。一番下っ端のお前を連れてくるなんて」
「今まで訓練の手を抜いた事はありませんよ。多分、隊長もその辺を見ていてくれたんだと思います」
「まぁ、いつかは初陣を張らなきゃならないしな」
「がんばります」
2人で、ワイワイやっていると。
「おい! お前ら早く仕度しろ!」
「ゲッ、副隊長!」
「すみません!」
2人でくっちゃべっている所を、副隊長に見つかり怒られた。
……
時間は深夜を少し回った頃だろう。
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