第六話 婚姻政策その八
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「そのうえでやっていこう」
「はい、それでは」
「これからはですね」
「お妃様のそうしたことも止めて」
「そうして政治をしていきましょう」
ロートリンゲン家の者達は彼等の立場で考えそして動いていた。そしてそのロートリンゲン家から王妃も来た。
その王妃を迎えてもだ、大公は安心していなかった。それで王にしきりに言った。
「王よ、後はです」
「子をですね」
「はい、もうけられて下さい」
言うまでもなく王妃との間にだ。
「そうされて下さい」
「わかりました、それでは」
「それも王の務めです」
子、特に正室である王妃との間にというのだ。
「ですから」
「そうですね。大公がいつも言われている様に」
「お願いします」
大公は王に頼みもした、共に食事を摂るその場で。
「ここは」
「では今夜も」
「その様に。それでなのですが」
大公は王にさらに言った。
「お食事も考えさせてもらいました」
「今日もですね」
「鰻が身体にいいと聞いたので」
見れば鰻料理、そのパイがメニューの中にある。
「用意させて頂きました、それに」
「他のものもですね」
「肉だけでなく野菜も用意し」
「その味付けにですね」
「大蒜を用意させました」
見れば実際にだ、料理の中に細かく切られた大蒜が多くある。
「こちらもです」
「身体にいいのですね」
「そして生姜も」
こちらもというのだ。
「沢山入れました」
「そうしたものを食べ」
「そしてです」
「滋養に務めるべきですね」
「そのうえで」
「子をですね」
「お作り下さい」
必ず、という言葉だった。
「是非」
「わかりました」
王もこう大公に答えた。
「それでは」
「心からお願いします」
実際にだ、大公は王に頼んだ。
「ただ婚姻を結ぶだけでなく」
「子をもうけてこそですね」
「それによってことが成りますから」
「ロートリンゲン家との確かな縁が出来」
「しかもです」
「跡を継ぐ者も出来る」
「王家の者の務めです」
特に王のだ。
「ですからくれぐれもお願いします」
「わかっています、では」
「全てお召し上がり下さい」
卓の上に出ている料理をというのだ。
「そして滋養を養って下さい」
「はい、そういえばチーズも最近」
「多く出しています」
「それもですね」
「チーズだけでなく乳もまたです」
「滋養のものだからですね」
「よくお召し上がり下さい」
大公は王にさらに言った。
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