蛇姫の鱗
日常編
ようこそラミアへ
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の後をついていく。
「まぁ、あいつの言う通りかもな」
ラクサスさんの背中が見えなくなると、ボサボサの髪の毛をかきむしりながら、ガジルさんが相棒のリリーを連れて立ち去っていく。
「ちょっとガジル!!」
そんな二人の背中を追いかけていくレビィさん。彼は歩き去る彼らに追い付くと、何やら言い合いながら離れていく。
「仕方ない・・・か」
「グタグタ言っててもな・・・」
「しゃあねぇか」
ラクサスさん、ガジルさんと立て続けにこの場から去ってしまったことで、次々とそれに釣られていくように散っていく皆さん。
「え!?ちょっ・・・」
「み・・・皆さん!?」
みるみるいなくなっていく妖精の紋章を刻んだ仲間たち。その光景を見て慌てる俺とウェンディの頭に、ポンッと手を置くものが現れる。
「じーさんなりに何か考えがあるんだろ」
「ジュビアもそうだと思います」
俺の頭に手を置いていたのはグレイさん。彼とジュビアさんが、冷静さを欠く俺たちにそう言う。
「じゃあな、シリル、ウェンディ」
「元気でね、二人とも」
「「あ・・・」」
手を振り、腕を組んで街を後にするグレイさんとジュビアさん。最後までこの場所に最後まで残っていたのは、俺とウェンディ、シャルル、セシリー、そして、涙を流しギルドの解散を悲しんでいるルーシィさんだけだった。
「な・・・なんで?」
「こんなのって・・・」
いまだに受け入れられない現実に唖然とする俺と涙を流すウェンディ。せっかくこれからもっともっと強くなろうと思っていた矢先の出来事、俺はどうすればいいのか、わからずにいた。
「ルーシィさん」
「・・・ごめん、一人にさせて」
唯一残っていた金髪の女性に声をかける。彼女は顔をうつ向かせると、小さくそう言い残し、自宅がある方向へと歩いていってしまった。
「なんで・・・なんでみんな平気なの・・・?」
「落ち着きなさい、ウェンディ」
「元気出して〜」
崩れ落ち、目から零れ落ちる雫を拭うウェンディ。そんな彼女を白い猫と茶色の猫が慰めている。
(これ・・・どうすればいいのかな?)
泣きじゃくる少女を見て、ようやく思考できるレベルまで落ち着きを取り戻してきた頭を回転させていく。
唐突に告げられたギルドの解散・・・正直なことを言うと、いまだにその現実を受け入れられないでいる。でも、自分の頬を引っ張ると普通に痛みを感じるので、きっと夢ではないのだろう。
夢ならすぐにでも覚めてほしい・・・でも、これが現実だというのなら、受け入れなければならないのだろう。
『お前たちの未来は始まったばかりじゃ』
不意に思い出したある人物の顔。俺たちが最初に所属していたギルド、化猫の宿マスタ
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