第6章 流されて異界
第146話 牛郎織女伝説
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々の神格から言うと違い過ぎて……。
何にしても、何故、この世界の住人に術者や能力者が生まれ易いのか。ある種の切っ掛けさえあれば、誰にでも不思議な能力が発現する可能性があるのか。……その疑問に対する答えがコレ。
要は、時間跳躍能力者が伝えた黙示録の世の到来を防ぐ為、世界の在り様を歪め過ぎず、さりとて、危機の際にはその世界の住人の中から、世界の危機に対処を行う事の出来る人間を一人でも多く登場させる為に、その種子を世界のアチコチにばら撒いた。そう言う事。
本来の……。滅びた世界では、その種子が牛種の策謀に因り弱められ、絶やされた為に生まれる事のなかった子供たちを間違いなく生まれさせる為に。
そのサポートを行うのが時間跳躍能力者たち。
因果律を歪められ、子供が産まれ難くなった異世界の血を引いた一族の末裔たちを見守る母。それが時間跳躍能力者たちに与えられた大きな役割。
「まぁ、信じる、信じないはオマエさん次第かな」
当たり前の言葉で長い話を締めくくる俺。
普通に考えるのなら絶対に信用出来ない話。但し、俺が彼女にウソを教えたとしてもあまり意味はない。
その辺りを総合的に判断して、今の一連の話を判断すれば良い。
牛種の策謀とは違う……。いや、基本的に言うと、クトゥルフの邪神も牛種に近い一神族には違いないが、それでも、既に牛種のコントロールからは完全に外れて居る奴らの策謀から作り出されたバビロンの大淫婦。そう成る可能性の高かった涼宮ハルヒと言う名前の少女が、先ほどの俺の話を何処まで信用するか。
最早、神のみぞ知る、と言うレベルの話。それに、今の彼女では、この話が何処に繋がっているのか分からないでしょう。
まさか、自分がクトゥルフの邪神を呼び出す事に因って、一度、修正された歴史をもう一度、黙示録が訪れる可能性のある世界へと戻し、多くの人々が営々と積み上げて来た努力を一瞬にして無駄に仕掛けた、……などとは想像出来ないと思いますから。
「良く考えたら、織姫の事や、彦星の事を詳しく聞いてもあたしに判断出来る訳はないのよね」
結局、無駄に時間を使っちゃったじゃないの。
軽く、俺の腕の中で伸びをした後に、そう会話を締め括ったハルヒ。
……と言うか、既に自らの体勢を安定させる為に、腕を俺の首に回す事すら放棄。何故かすっかりくつろぎモード。
ただ、その態度と言葉が本心かどうかは微妙なトコロですが。
「ねぇ、今、何時なの?」
それとなく本心を見極める為、瞳に能力を籠めようとした瞬間、何故か、少し座りの悪くなったメガネを整えてくれながら、そう問い掛けて来るハルヒ。
いや、違うか。良く考えると、今のハルヒの行動に奇異な点はない。
今の俺の両手は彼女の身体を抱き上げる為に使用中
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