第6章 流されて異界
第146話 牛郎織女伝説
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で嫦娥に強引に迫った為に天界から落とされた事になっている。
しかし、本来その嫦娥自身が、罪により蟇蛙の姿にされているはず。幾ら女好きとして知られている天蓬元帥とは言っても、蟇蛙の雌に言い寄るとも思えないのだが。
そもそも、広寒宮に嫦娥が居るかどうかも微妙。彼女は良人が太陽を射落とした罪により神籍を失っている事になっている。
……と言うか、これは孫悟空が天界で暴れた後に五行山に封じられた後の話のはずなので、その時には既に嫦娥……に当たる仙女は神籍を外れ転生の輪に加わっている。
そもそも、彼女は最初の時間跳躍能力者に因って伝えられた人界の未来を改変する為に、人間として転生する道を選んだ最初の一群に名を連ねた神仙。その彼女が蟇蛙の姿だろうが、月のウサギの姿だろうが、その頃に広寒宮の住人として存在している訳はない。
大体、その九つの太陽を射落とした技は俺が嫦娥……に相当すると思われる女仙に教えた技。少なくとも俺の記憶の何処を探しても彼女の夫と言われる人物の事は思い出せない。
尚、ついでに言うと、捲簾大将も普通に考えると微罪と言うレベルの罪。番町皿屋敷に等しい罪で地上に落とされている。
ここまでは中国の神話だが日本の例で言うなら、神武の東征の際に力を貸したニギハヤヒは本来、天津神系に属する神のはずなのに、その時、彼は何故地上……地祇の国に居た?
天津神の中にも些細な理由で神逐を受け、地上に放逐された神はある程度の数が存在する。また、自らの意志で地上を目指した連中も居た。
この理由は……。
「太古のある時期以降に、多くの神や仙人などの異界の住人たちがこの世界へと移り住み、この世界の人間たちに混じって生活を始めた。ある目的の為に」
但し、牛種の方の伝承は多少、趣が違う内容と成って居るが。
何故ならば、天から降りた天使たちと人間の間に産まれた巨人たちは、知性を感じさせない人食いの化け物でしかない。同じように落とされ、人食いの妖怪と成りながらも、三蔵法師の弟子となった天蓬元帥や捲簾大将とは違う。
もっとも、西遊記に関して言うのなら、道教の神々下げ、仏教上げの基本があるので、アレがすべて正しい内容を記述しているか、と言われるとそうとも言い難いのだが。
斉天大聖の実力は良く知らないが、奴に敗れる那咤や托塔天王の方は良く知っている。あいつらは神通力を得たとは言え、石猿如きに簡単に遅れを取るようなヤワな奴らではない。
そもそも托塔天王とはインド神話の毘沙門天と同一視される神。ハヌマーン神をモデルとする斉天大聖とでは元
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