暁 〜小説投稿サイト〜
BCO(ブラック・カンパニー・オンライン)
転身、そして邂逅
Act2.NNO(ニュービー・ナンパ・オンライン)
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来たのはいいが…俺はネトゲはドベの素人なのだ。
そんな俺はチュートリアルのメッセージにも気づかず、えっ何コレ何すればいいの?状態。
「……なんでみんなあんな迷いなく動いてるんだ?」
半ば途方に暮れつつショップ通りを歩いていると俺と同じように右往左往してるヤツがいた。
それは見たところ少女のようなアバターだったが、どう見ても初期設定から外見ステータス弄ってないだろコレ!って言う程地味な(もちろん現実にいたら滅茶苦茶美人さんな)アバターだった。
これは俺と同じド素人に違いないと俺の感覚が告げ、心細さと親近感が相まって声をかけてみることにした。
 「あのーすみませーん」
平坦な呼びかけをしてみると、その少女(のアバターというだけで中身は野郎かもしれないが今は女性だと思って接することにする)はこちらを振り向き
「私に話しかけてるの…?」
と澄んだ可愛らしい声音(まぁボイスフィルターで声も自由に弄れるけど)で返事を返してきた。
「あぁ、実はネトゲ始めてでどうしたらいいか分からなくて…うろうろしてたら同じような様子の人がいたから。君もそうなのかなーって。」
なんだかナンパをしてるようなむず痒さを覚えつつも相手の様子を伺うと
「そうなの……私も同じだけど」
どうやら俺の勘はビンゴだったらしい。ちょっと愛想がないように思えるが、まぁこんなことされたら少し警戒しているのが自然だろう。
「……そう、で…それでさ」
徐々に気まずくなってきたので若干後悔しつつ視線を端に寄せると、"装備を整えよう"というチュートリアルメッセージと武器屋を示す矢印がようやく目に入る。
「今から武器屋行くんだけど!一緒にどうかなって!?」
完全に苦し紛れで行った後、これじゃ余計ナンパ野郎って思われるじゃん!と脳内で絶叫していると
「解った…よろしくお願いします。」
少女はそう言うと礼儀正しくお辞儀をする。
「…あっうん。よろしくねー」
少しテンパりつつも持ち直した俺は、営業の癖で深くお辞儀を返すと名刺を渡そうとしてそれがない事に気付き苦笑する。

そして俺は、結局結果としては上手く行ったのかな?と首を傾げつつ少女と二人武器屋に向かうのであった。
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