機動戦艦ナデシコ
1390話
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コ食堂のシェフでもあるホウメイへと声を掛ける。
「俺達のおかげ?」
「ああ。ニヴルヘイムって言ったかい? あそこから大量の食料が配られているからね。おかげでこっちは材料の心配をしないでどんどん料理が出来るって訳さ」
ああ、なるほど。ナデシコはアカツキを迎え入れた影響で迂闊に他の場所に寄る事が出来なくなっていた。
そうなれば当然補給に関しても完全に、それでいて安全に出来るという訳にはいかなくなる。
つまり、ニヴルヘイムに合流するまでは以後の事を考えて食堂で出す料理も節約を意識したものになっていたのだろう。
……そう考えれば、食堂にいる面子が嬉しそうなのはその影響か?
いや、嬉しそうにしている者の中には俺の方へと視線を向けると睨み付けてくる奴もいるが。整備班とか整備班とか整備班とか。それから整備班とか。
食堂には当然他にも男はいるんだが、どうしても俺に嫉妬の視線を向けてくるのは整備班の男のように思える。
やっぱりこの辺はウリバタケが関係してるのか?
「それでアクセル。さっきも言ったけど、ルリルリは今凄く頑張ってるのよ」
「うん? ああ、それは分かってる。正直ルリだけにこの手の仕事を押しつけるのは色々と心苦しい……」
そこまで呟き、ふととある人物の顔が脳裏を過ぎる。
それは普通や平凡がいいとか言ってる女で、そう言いながら自分はつくづく普通ではない経験をしてきた人物。
ネットワークに関係するという意味では、間違いなく凄腕と表現してもいい人物だ。
長谷川千雨。現在はフリーターというか、ニートというか、無職というか。
いや、時々シャドウミラーからの依頼を受けて仕事をしてるんだから、無職って訳じゃないのか?
……実は長谷川がニート生活を送っているのは、シャドウミラーにも幾らか責任もあったりする。
電子精霊を使いこなし、ネットに関しては無類の強さを発揮する長谷川だ。当然ながらその技量に相応しいだけの技術料を支払うとなれば、相応の額になる。
それこそ長谷川が贅沢をしなければ暫く暮らして行くだけの額は。
何しろシャドウミラーにとって金というのは異世界間貿易の中継地点だったり、キブツにより資源を売り払ったりで幾らでも稼ぐ事が出来る。
最近はそれにプラスして精霊の卵の稼いでくる金もあるが、その金に関しては精霊の卵の戦力を充実させる為に使っているので、俺達はノータッチだ。
ともあれ、長谷川ならオモイカネと協力して……そう思った瞬間、不意にミナトが俺の頬へと手を伸ばして抓る。
「ちょっとアクセル。私がいるってのに、堂々と他の女の事を考えるなんて、随分といい度胸じゃない」
頬を抓っている手をそっと外し、そのまま離すと再び抓ってきそうだったので、テーブルの上でミナトの手を握り締める
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