第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#10
闇夜の血闘 紅の魔術師VS幽血の統世王U 〜All Dead〜
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ないわ。
「狡猾」 が服着て歩ってるようなヤツと
知恵比べで勝負するのは得策じゃない。なら、)
炎刃と化した贄殿遮那を握る手に力が籠もる。
(出たとこ勝負ッ!)
シャナは構えを解き、静かにそして悠然とDIOに向かって歩を進めた。
全身から立ち上る炎の燐光が空間を灼き焦がす。
「ほう? 向かってくるのか? 炎を遠隔操作で撃ち込むことをせずに。
我が流法 『気化冷凍法』 も甘くみられたものだ」
傲然と自分を見下ろすDIOにシャナは堂々と返す。
「仕方がないわ。近づかなきゃおまえを完全に討滅出来ないから。
視界が悪いのよ、この辺りの建物。
着弾の炎幕に紛れて逃げられても困るしね」
地の利がありながら敢えてソレを捨て、
わざわざ相手の射程距離に飛び込む。
よほどの愚者か力に自信のある者しか撃てない術。
「フン、なら十分近づくがよい」
そう言うとDIOは白い冷気の立ち上る指先で手招きし、
自分もシャナに向かって邪悪のオーラが生み出す
ドス黒いプレッシャーを放ちながら歩み寄った。
シャナとDIO。
両者の放つ巨大なプレッシャーによって
封絶に囲まれた紅い空間が歪み始める。
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
シャナの黒衣の裾が靡く衣擦れの音。
DIOの耳飾りが揺れる金属音。
その音が互いの耳に届き、そして両者の射程距離にまで間合いが詰まる。
その刹那。
「ッッシィィッッ!!」
「WOOOOORYAAAAAAAAA―――――――――――!!!!」
交差した両腕から繰り出された、上半身の廻転運動のみによって放たれた右払いの一閃。
身体を覆う黒衣を利用した為、予備動作が完全に消えた虚空の一撃とほぼ同時に、
激しい叫声と共に軸足で足下のコンクリートをドリルのように抉り、
テコの原理で跳ね上がった脚から繰り出されたDIOの狂速の廻し蹴りが
シャナに向けて撃ち出された。
捲き起こる、真空の渦。
シャナ、DIO、両者の攻撃は共に空を斬る。
しかし威力で勝ったDIOの廻し蹴りによって巻き起こった旋風により、
シャナの黒衣が音を立てて引き裂かれた。
余波で間合いの空気が、一方は切り裂かれ一方は爆散する。
千切れた黒衣の切れ端が、シャナとDIOの眼前で舞い踊った。
「ククク、予備動作を消しても、
殺気を消さなければなんの意味もないぞ? マジシャンズ。
貴様の気配は100q先からでも察知出来るほど強烈なモノだ。
その身に宿る巨大な存在故に、今までお前は多くの敵に勝利してきたのだろうが、
同時にまた
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