第十七話 旅立ちその二
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「それでもな」
「それでも?」
「昨日は飲んだな」
「うん、龍馬もね」
「ワインボトル二本開けたからな」
「うん、それだけ開けたよね」
「いや、l昨日は飲んだよ」
それこそとだ、龍馬も言うのだった。
「飲み過ぎたか?」
「姉さん程じゃなかったと思うよ」
「優花さん日本酒一升開けてそこから色々飲んでたからな」
「さっき焼酎やウォッカも飲んでたって言ってたよ」
「確かどっちも瓶一本開けてたな」
「飲み過ぎだよ」
優花は自分の向かい側の席に座った龍馬に眉を曇らせて言った。
「幾ら何でも」
「まあ優花さんもな」
「飲みたかったっていうんだね」
「お別れだからな」
それで、というのだ。
「男の御前とな」
「だからだったんだね」
「それで御前の新しい出発だからな」
「そのお祝いでだね」
「飲んでたんだよ」
「いつも以上にだね」
「そうだろうな、それでな」
龍馬は今度はこう優花に問うた、彼もテレビを観ながら。
「その優子さんは何処なんだ?」
「今お風呂入ってるよ」
「ああ、そうなんだな」
「姉さんも二日酔いだからね」
それでというのだ。
「そうしてるよ」
「あの人もそうなるんだな」
「二日酔いにだね」
「ザルとかウワバミとか言われてるのにな」
とかく優子は飲む、それで学生時代からそう言われているのだ。その飲みっぷりで伝説を作ったこともある位だ。
「そんな人でもか」
「二日酔いになるよ」
「飲み過ぎたらか」
「僕も姉さんが二日酔いになるのはじめて見たよ」
「ああ、俺もはじめて聞いたよ」
「それで今はね」
「酒抜いてるんだな」
入浴してである。
「そうなんだな」
「凄い顔になってたしね」
「二日酔いの顔か」
「うん、相当なね」
「そうか、まあ二日酔いの時はやっぱり風呂だよな」
「龍馬も入る?」
「いや、俺はいい」
龍馬はそれは断った。
「そこまで酔ってないからな」
「龍馬もお酒強いね」
「まあな、親父と祖父さん譲りだな」
「そのお祖父さんだね」
「ああ、祖父さんも日本酒一升普通だしな」
「一升飲んだら凄いね」
「だよな、優子さんにしてもな」
その彼女のこともだ、龍馬はまた言った。
「あの人はウイスキーボトル二本とかだしな」
「飲む時そこまで飲むよ」
「肝臓には気をつけないとな」
「飲まない日も多いからね、姉さん」
「お医者さんだからそこは気をつけてるか」
「お酒も飲み過ぎたら毒だからね」
「ああ、百薬の長でもな」
俗に言われている言葉である。
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