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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十三話 覚悟
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「Hey!!key!!」
最初紀伊は自分のことを呼ばれていることに気がつかなかった。すると元気そうな艦娘がテーブルを回ってこちらにやってきて早口でまくしたてた。
「It's an honor to meet you!!I’m Kongou!! Battleship of returnee from the United Kingdom!!」
紀伊は呆然とその艦娘を見上げていた。お茶を皆と飲んでいた時に突然話しかけられたので、大ぶりの湯飲みを持って新参者を見上げたまま紀伊は固まってしまっている。
「お姉様。」
榛名が穏やかに言った。
「Oh!!Sorryネ〜〜〜。」
その艦娘はちょっとびっくりしたように口をつぐんだが、また元気な声でしゃべりだした。
「つい母国語が出てしまいました〜〜〜。Key!!私は英国で生まれた帰国子女、金剛デ〜ス!!よろしくお願いしマ〜ス!!」
「あ、あのう・・・・キーってなんなんですか?」
「What!?ユーの名前はKeyじゃなかったのね?」
一瞬皆が目をぱちくりさせて固まった。
「お姉様。」
榛名が少し赤くなりながら言った。
「紀伊さんはキーじゃありません。キイ、です。鍵じゃありません。」
榛名は申し訳なさそうな顔を紀伊に向けた。
「紀伊さん、ごめんなさいね。お姉さまったらとっても失礼で――。」
「いいえ。」
そう言いながら、紀伊はおかしくなって笑い出した。
「どうしたのデスカ?」
金剛も榛名も由良も不知火も綾波もあっけにとられている。
「ごめんなさい。でも、なんだかとてもうれしくておかしくて、つい・・・・。」
紀伊は目の端をぬぐった。
「こんな私にもあだ名をつけてくださった方がいるんだなって、なんだか・・・・。」
「あだ名というか・・・・。」
「金剛先輩が勝手に勘違いして呼んだだけのようですけれど。」
榛名と由良が顔を見合わせた。
「でも、紀伊さんが喜んでいるようですから、いいのではないでしょうか?」
「じゃあ決まりデスネ!これからあなたのことをキーと呼びマ〜ス!」
金剛はとても嬉しそうに叫んだ。榛名が金剛に、お姉様どうか座ってくださいとお願いし、一緒にお茶を飲むことになった。
「遅くなりましたがお姉様、ずいぶんご無沙汰していました。お元気そうで何よりです。」
金剛にお茶が来たところで、榛名が頭を下げた。
「榛名も元気そうで何よりネ〜。昨日の夜ここに着いたのデ〜ス。でも、too tired 流石に長旅は疲れマ〜ス。比叡はまだ寝ているネ。Oh!!」
金剛は急に思い出したように紀伊を見た。
「キー、あなたの妹はとてもイイ子ですネ!!今は疲れて寝ていますけど、一度会いに行ったらいいですネ!」
「はい!!」
紀伊は嬉しそうに頬を染めてうなずいた。あれから讃岐と手紙を取り
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