第十三話 覚悟
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交わしているけれど、三女である近江のこともずっと気になって仕方がなかったからだ。
「ところでお姉様はどうして呼ばれたのですか?」
この時榛名と紀伊、霧島、夕立にはまだ鳳翔から作戦概要は伝えられていない。昨日鳳翔から金剛たちが到着次第、彼女たちとともに横須賀に向けていつでも出発ができるように準備しておくよう言われただけだった。帰投したばかりで沖ノ島攻略作戦に参加する四人には今後の作戦のことを考えず、ゆっくりと休んでほしいとの提督の配慮があったからである。したがって、四人の所属する艦隊はここ数日休養に入っているし、先日の会議に参加した艦娘たちはこのことを四人に話さないよう固く口止めされている。
「ん〜〜。それはちょっとsecretデ〜ス!」
金剛は片目をつぶって、人差し指をたてた。
「でも、榛名たちもきっと参加するときが来マ〜ス。それまではお楽しみネ〜!」
榛名たちは顔を見合わせた。金剛は立ち上がって大きく伸びをし、あくびをかみころした。
「ご馳走様でシタ、ん〜〜なんだか眠くなってきたネ、榛名、少しベッドで横になってきてもいいデスカ?」
「ええ、お姉様もお疲れなのですから、無理しないでくださいね。」
金剛は、Thank you I`ll see you laterと手を振っていきかけたが、急に足を止めて振り返った。
「Oh!!思い出しマシタ!!キー。あなたに伝言ネ!」
「あ、はい!なんでしょうか?」
「赤城があなたを呼んでマ〜ス。とっても大事な話があるって言ってマシタネ〜。」
「赤城さんが・・・・?」
紀伊は首をかしげた。あの鳳翔との演習の際の審判だったことを除けば、正規空母の赤城は第一航空戦隊に所属する加賀と並ぶ精鋭中の精鋭だということくらいしか知らない。時々例の練習場で加賀と共に演習を行っている赤城の横顔を見る程度だ。話したこともないし、正直言うと加賀と同じような性格なのではないかという気がして、紀伊はなるべく空母寮に近づかないようにしていた。
その赤城が自分に用があるという。いったい何なのだろう?
「私、何か悪いことをしたのでしょうか・・・・?」
紀伊は不安そうに榛名に尋ねた。
「いいえ。そんなことは絶対にありません!それに赤城さんはとても優しい方ですし、いきなり怒るようなことは絶対になさらない方です。もしよかったら榛名も一緒についていきましょうか?」
ぜひともお願いします、と紀伊が言うより早く金剛が残念そうに首を振りながら言った。
「榛名、残念だけれど赤城はキー一人で来てほしいって、言ってマシタヨ。」
一人で・・・・!?紀伊は訳もなく不安を感じていたが、呼び出された以上断り切れなかった。
赤城が指定したのは、発着所の近くにある海上演習場だった。ここは紀伊にとっても何度も練習場所として使っていたところでも
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