1.故障
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いでしょ」
「ありがとう」
そう言えばかなり喉が渇いていた。起き上がると、アヤカが差し出したボトルをケンジはすんなり右手で受け取り、喉を鳴らしてごくごくと飲んだ。
「横になりなよ」アヤカは空のボトルをケンジから受け取ると、彼の背中に手を添えて、再び横になるのを手助けした。
「すまない、アヤカ」ケンジはゆっくりと横たわった。
「ねえ、海棠くん」アヤカが少し恥ずかしそうに口を開いた。
「何だ?」
「この前の返事……訊きたいんだけど」
「え?」ケンジは戸惑ったように表情をこわばらせた。
「私のこと……」
ケンジは思わずアヤカから目をそらした。
「アヤカ、すまない。俺、おまえとはつき合えそうにないよ」
「……それって、海棠くんには好きな人がいる、ってこと? それとも、もうつき合ってる……とか」
「い、いや、つき合ってる……っていうか……」ケンジは言葉を濁した。
「好きな人がいるってことだよね」アヤカはうつむいた。
「ごめん……」
「わかった。ごめんね、こんな時に変なこと聞いちゃって」
「いや……」
ケンジの頭がぼんやりとしてきた。横に立つアヤカの姿がなぜかぼやけて揺れ動き始めた。「何だか、今になって疲れが出てきたみたいだ」ケンジは強い眠気を感じ始めた。。
「いいよ。ゆっくり休んで」アヤカの言葉を聞きながら、ケンジはそのままうとうとと眠り始めた。
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