第59話会えて嬉しいよ
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物を部屋の中に入れたーーーえ?
『キリト(さん)!?』
「竜と・・・二人だけにさせてくれ」
キリトこと桐ヶ谷和人、つい先日双子の弟だと発覚した親友。和人は里香さんと桂子に『二人にさせろ』と頼み、二人に席を外させた。そしてこの病室にはベッドの上で安静にしているオレと、さっきまで桂子が座ってた椅子に座りだした和人だけになった。
和人は数秒オレの顔を見つめ、口を開いた。何か拒絶されたような事を言われるとオレは思っていたが、現実はーーー
「・・・確かにちょっと似てるな」
「そら双子だからな!?」
自分の顔と比較されていただけだった。何かヒヤヒヤしたぞ、驚かせんなーーー
「竜は・・・いつ知ったんだ?」
「養子だって事は10歳の時に知ったよ。双子の話は須郷がオレを襲ってきた後に、兄貴がな。まあ病院まで乗ってた車の中でオレの生い立ち話になっちまったけど・・・」
そう。オレが全てを知ったのは、龍星がオレの生い立ちを説明した時だった。もしかしたらオレがペチャクチャ喋らなければ、こんな事にはならなかったんじゃないかなーーー
「俺も10歳の時に知ったよ。養子の事・・・それに、双子の兄貴がいるって事」
「・・・そっか」
和人は最初から、全部知ってたのか。でもオレが全く聞いた事がないあたり、何も知らなかったのはオレだけだった訳だーーーいや、父さんや母さんなりの心遣いだったのかもな。一度に自分が養子だって事、それに双子の兄弟がいる事を知ったら当時10歳だったオレは混乱してただろうしな。
「そいつの名字が『神鳴』だって事も聞いてはいたけど・・・顔も知らなかったからな。お前の名字を聞くまでは全然分からなかった」
名字まで聞いてたのか。だったらSAOの中にいた時には分からなかっただろうなーーーあれ?だったら和人はーーー
「『ダイシー・カフェ』で会った時には・・・もう知ってたのか!?」
「いや、それより前だ。龍星さんが《オーバーロード》の事を教えてくれた日、あの時お前が紹介してたろ?」
「あ、そういえば・・・」
そうかーーーオレが龍星のフルネームを言ったその時、オレはすでに名字だけは晒してたんだ。現実の事を言うのはマナー違反なのに、オレって案外バカなんだなーーーそっか、こいつはーーー
「お前はあの時から変わらず、オレと接してくれてたんだな・・・」
「・・・友達には違わなかったからな。人付き合いが苦手だった俺にとってお前は・・・数少ない友達だ」
兄弟だと知っても尚ーーー友達だと思ってくれてたのか。友達少ないって言ってるけど、オレはそんな事ないと思うぞ。アインクラッド第1層攻略会議の時、お前がいなかったら、お前がオレをパーティに誘わなかったらーーー
『よかったら俺達
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