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覇道を捨てて
第一章
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てです。 
 お互いに戦争をして奪い合いをはじめようとしました。しかしです。
 その彼等のところにです。たまたまです。 
 人間の吟遊詩人がやって来ました。紅い帽子に上着をマントを羽織っています。ズボンは黒でとても目立つ格好です。その手にはハープがあります。
 詩人はエルフの国に来てです。そのものものしさを見てこう言ったのです。
「戦争でもするのですか?」
「はい、今からドワーフの国に攻め込むんです」
「そしてドワーフの金や銀、宝石を私達のものとするんです」
「その為に今こうしてです」
「用意をしているんです」
「おやおや、それはまた無意味ですね」
 エルフ達の言葉を聞いてです。詩人はです。
 肩を竦めさせてです。こう言ったのです。
「そんなことをしても何にもなりませんよ」
「えっ、何にもならない?」
「それは何故ですか?」
「戦争で奪い取っても多くの人が死んで恨みが残るだけですよ」
 詩人は笑ってエルフ達にお話します。
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