暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#9
闇夜の血闘 紅の魔術師VS幽血の統世王 〜Darker Than Darkness〜
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
を振り向いて叫ぶ。
「うるさいうるさいうるさい! 誰の所為だと思ってるのッ!」
 シャナは承太郎に向かってそう叫び返し、足下の床を鳴らして踏み切ると、
軽々と跳躍して中庭を飛び越えた。



【2】

「だめだな、これは」
ジョセフは、茶室の畳の上に寝かされた花京院を見下ろした。
「手遅れじゃ。この少年はもう助からん。あと数日のうちに死ぬ」
「……」
「死ぬ」 という言葉に、承太郎の視線が尖った。
「承太郎、お前のせいではない。見ろ。この少年がなぜ?
DIOに忠誠を誓いお前を殺しに来たのか? その理由が、 」
 そう言ってジョセフはいきなり花京院の茶色い前髪を右手で(まく)り上げた。
「ここにあるッ!」
(ッッ!?)
 花京院の、額の表面に、何か、異様な「物体」が蠢いていた。
 弾ける寸前の木の実のような形をしているが、
まるで生物のように微細な脈動を繰り返している。
 その 「物体」 の触手らしき部分が、花京院の額中央部に埋め込まれ、
一部は皮膚と癒着していた。
「……なんだ? この動いている、クモみてーな肉片は?」
 その承太郎の問いに対し、シャナの胸元のアラストールが答える。
「それは、彼の者の細胞からなる『(にく)()』、 この小僧の脳にまで達している。
この 『肉の芽』 は生物の精神に影響を与えるよう脳に打ち込まれているのだ」
 そのアラストールの説明を、棕櫚(シュロ)の磨き丸太の柱に背を預けたシャナが
腕組みをしながら補足する。
「つまり、 「コレ」 はコイツを思い通りに操る「装置」なのよ。
常に脳に刺激を与え続け、“自分を心酔し続けるように” 精神操作を行ってるの。
コイツの養分を吸い取りながら動いてるから殆ど永久機関と変わらないわね。
時間をおけばおく程効果は増大していって、最終的には自分の命令を麻薬のように
追い求める 「奴隷」 の一丁上がりってわけ」
「手術で摘出すればいいだろう」
「それが出来たら苦労しないわ。
コレは脳の中の一番デリケートな部分に打ち込まれてる。
摘出する時ほんの僅かでも触手がブレたら、
脳はクラッシュしたまま永遠に再起動しなくなるわよ。
何より外科医は “封絶” の中じゃ動けないしね。
そこまで計算して “アイツ” はコレを生み出したのよ」
「アイツ?」
 想わぬシャナの言葉に、承太郎の瞳が(いぶか)しく尖る。
「 “アイツ” とは、一体どういう意味だ?
まるで “会った事がある” みてぇな口振りだな?
アノ男……『DIO』 のヤローによ」
「……ッ!」
 承太郎のその言葉に、シャナは俯いて言葉を閉ざす。
「……」
「……」
 そして舞い降りる、沈黙の(とばり)
 それをアラストールの
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ